紙面から

リオっ子、東京へエール 「市民の声援がカギ」

閉会式で記念撮影をするブラジル人のカップルたち=21日、リオデジャネイロで(兼村優希撮影)

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 【リオデジャネイロ=本社五輪取材団】さぁ、東京へ。リオデジャネイロ五輪が21日夜(日本時間22日朝)に幕を閉じ、バトンは東京へと渡された。サンバのリズムに包まれた閉会式のスタンドで、カリオカ(リオっ子)たちに東京へのメッセージを贈ってもらった。

 カイオ・シルバさん(32)は、ブラジルの国旗を持って妻と閉会式へ。「成功のカギは市民が楽しむかどうかだね」とウインク。「日本人はシャイだけど、観客が盛り上げれば、選手もいいパフォーマンスができる。リオがそれを証明したよ」

 彼女と一緒に訪れた大学生エンヒキ・ガズテルさん(24)も、「私たちみたいに競技を楽しい気持ちで見て盛り上がれば、きっと良い五輪になる」と楽しげだ。

 医学生ジョン・フェルナンデスさん(23)は医療ボランティアなのに、観客と一緒に歓声を上げたり拍手をしたりしながら閉会式の演出を楽しんでいたあたりが、いかにもリオっ子。ただし、指摘はクール。「リオはお金を使い過ぎだって問題になった。東京もしっかりチェックしないとね」

 契約社員の女性イオナ・ブロクさん(30)は地元の五輪を「十点満点で言えば八点」と採点。「良かったけど、車の渋滞が迷惑だったし、会場内の食べ物が少ないし、高かった。日本はブラジルよりもハイテクだから、何とかしてね」

 アトス・ランジル君(9つ)のくるくる動く大きな目は、純粋にアスリートたちの素晴らしいパフォーマンスに向いていた。「柔道は日本人がすごく強かったよね。東京五輪でもあんな活躍したら、ブラジルが金メダルをとったのと同じように盛り上がるって」。一方、妹のエレナさん(8つ)の関心は食べ物。「すしとか刺し身とか、東京の競技場では食べられるかな。大好きだから、四年後は東京に行きたいってママに頼んでみる」と言って、上目遣いに母親の顔をのぞき込んだ。

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