紙面から

<サンバの鼓動> 邦人学生スタッフ 通訳も

 地球の裏側ともなると、日本人に会えるだけでうれしくなる。そのせいだろうか。柔道会場の取材エリアで、邦人スタッフを発見し、思わず声をかけた。

 菊池理佳さん(21)と鳥居紗衣さん(20)。二人とも東京外国語大三年生。リオ五輪で日本人ボランティアが不足していると聞き、同級生ら二十人ほどでやってきた。皆、英語が堪能で、言葉が通じず困り果てる私たちの心強い味方だ。

 海外メディアのカメラの前に引っ張り出されることもある。メダルをとった日本人選手の通訳だ。男子73キロ級で金メダルの大野将平選手(24)と対面した鳥居さんは「ガチガチになっちゃった」。菊池さんは「会場の案内くらいだろうと思っていたから、びっくり」と瞳を輝かせる。

 ちなみに大会後半、この会場ではレスリングが行われる。菊池さんにはひそかな楽しみがある。「あこがれの吉田沙保里選手の通訳ができたらいいなぁ」。若者らしい笑い声がはじけた。

 (兼村優希)

※ご利用のブラウザのバージョンが古い場合、ページ等が正常に表示されない場合がございます。