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「4本投げ」軌道に乱れ 新体操団体

団体決勝 リボンの演技で「4本投げ」をする日本=今泉慶太撮影

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 メダルラッシュに沸いたリオでの日本の戦いを、妖精たちが華やかに締めくくった。新体操の団体総合決勝に臨んだ「フェアリージャパンPOLA」は、フルタイムの合宿生活で心を一つにして仕上げたリボンのオリジナル技「4本投げ」で観客を沸かせた。

 前日の予選でも反応は上々。「決勝も欲を出さず、気持ちをリセットしてやりたい」と臨んだ主将の杉本の思いを他のメンバーも共有した。ラテン調の曲に乗せた演技終盤。4人が投げた手具を杉本がリボンでからめ捕り、そのままスティックを振って投げ返した。前日の予選に比べればやや軌道が乱れたが、4人が何とか受け取った。

 ただでさえ、精緻な感覚が求められる技。6月初めに曲を変更したため別の色のリボンを使うことになり、重さが微妙に変わった。現地入り後の練習でも湿気の影響で感覚が変化。杉本は「ノーミスで何十本、何百本もやることによって自信につなげた」と話す。

 この日は完成度で悔いが残った。他の投げ技でもミスがあって得点は伸びず、リボンは決勝進出8チームで最下位。もう一つの種目、フープ・クラブで「ライブ会場の雰囲気」を表現して挽回を図ったが順位は変わらなかった。「悔しい場面もあったけど、5人でこの舞台に立てて幸せだった」

 昨年9月の世界選手権(シュツットガルト=ドイツ)では、五輪で行われない種目別リボンで日本勢40年ぶりの銅メダルを獲得。選手らは五輪イヤーの練習始めで「金だって狙えるはず」と誓いを立てて果敢に挑戦したが、世界のトップレベルはさらに上にあった。

 (鈴木智行)

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