紙面から

至学館の新鋭「東京で金を」 練習パートナーら

吉田沙保里選手とスパーリングする向田真優選手=大府市の至学館大で

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志土地希果選手=大府市の至学館大で

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 【リオデジャネイロ=中野祐紀】レスリング女子の日本代表全員を卒業生、在校生が占め、六階級で金四つ、銀一つのメダルをもたらした至学館大(大府市)。レスリング部監督で、日本レスリング協会の強化本部長を兼ねる栄和人さんに二〇二〇年の東京五輪を狙う有望株と認められ、五輪選手の練習パートナーとしてリオに帯同した六人は「金」の喜びや、吉田沙保里選手(33)の「銀」の涙を目の当たりにした。

 「テレビで見るのと全然違って、すごく気持ちが高ぶる」。吉田選手と同じ53キロ級のホープで三重県四日市市出身の向田真優(まゆ)選手(19)=至学館大一年=が目を輝かせた。十八日は選手たちのウオーミングアップに付き合った後、大歓声が響くスタンドであこがれの舞台を見つめた。

 吉田選手の敗戦はもちろんショックだが、わき起こったのは悲しみよりも闘志。「ぜひここ(五輪)で金メダルを取りたい」。帰国後一週間ほどで、ジュニアの世界大会があるフランスへたつ。

 二〇一五年卒で48キロ級の志土地希果(まれか)選手(24)は、世界選手権に出た経験もある実力者。初めて踏んだ五輪の地は裏方として、だった。後輩の登坂(とうさか)絵莉選手(22)が今回、初出場で同級の金メダル。「東京は私が、という思いは当然ある」

 五輪種目にレスリング女子が採用された二〇〇四年アテネ大会で吉田選手と伊調馨選手が優勝して以来、至学館大が積み上げた金メダルは、十八日の63キロ級、川井梨紗子選手(21)で計十一個。「至学館のマットで目立てるってことは、自信持って『金メダル取る』って宣言していいってことなんです」(登坂選手)。四年後、東京へ。金メダリストですら安閑とできない闘いが愛知の小さな大学で、もう始まっている。

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