紙面から

伝統の複、タカマツ大輪 バドミントン女子で「金」

バドミントン女子ダブルスで優勝し、金メダルを手に笑顔の高橋礼華選手(左)、松友美佐紀選手=18日、佐藤哲紀撮影

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 日本バドミントン界に初の五輪金メダルをもたらした、「タカマツ」こと女子ダブルスの高橋礼華(あやか)(26)、松友美佐紀(24)両選手。これまでにも数々の国際大会で「日本初」を達成してきた世界ランキング一位ペアが、女子ダブルスの伝統に新たな一ページを加えた。

 近年の日本バドミントン界の主役は女子ダブルスの選手たちだった。まず小椋久美子、潮田玲子の「オグシオ」が競技人気に火を付け、二〇〇八年北京五輪では末綱聡子、前田美順(みゆき)の「スエマエ」が四強入り。前回のロンドン五輪では藤井瑞希と垣岩令佳の「フジカキ」が銀メダルに輝き、全種目を通じて日本勢初の表彰台に上った。

 日本をけん引する先輩ペアから、「タカマツ」は刺激を受けてきた。二人がペアを組んだ翌年の〇八年、高校総体を制して乗り込んだ全日本総合選手権の準決勝で「オグシオ」にストレート負けと「ぼこぼこにされた」(高橋選手)。大会五連覇を達成する先駆者の力に触れ、「自分たちもああなりたい」と憧れた。

 北京五輪で「スエマエ」が世界ランキング一位の中国ペアを破る金星を挙げた時も感動したが、今回、自分たちが五輪に出場したことで「すごいところで勝ったんだ」と改めて偉大さを実感したという。

 五輪の金メダルを現実の目標に置くようになったきっかけは、ロンドン五輪で「フジカキ」が獲得した銀メダル。代表選考で争ったライバルだけに、「自分たちも超えたい。自分たちでも勝てるかもしれない」という反骨心が、飛躍の原動力となった。

 先輩たちに追いつき、追い越せと走り続け、先輩たちが届かなかった頂に達した「タカマツ」の二人。高橋選手は「女子ダブルス界を引っ張ってくれた先輩たちに感謝している」と語り、松友選手も「あの三ペアがいなければ今の私たちはいなかった」と感慨深げに話した。

 (井上仁)

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