紙面から

奥原、思いがけず「銅」 バド・女子単、不戦勝で幕

女子シングルス準決勝 インドのプサルラに敗れた奥原希望=佐藤哲紀撮影

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 予想外の結末だった。奥原が銅メダルを懸けて臨むはずだった3位決定戦は、ロンドン五輪金メダリストで世界ランキング3位の李雪●が膝を痛めて棄権。準決勝で敗れ「勝っても負けてもラスト1試合なので、自分のプレーを、全部力を、出し切りたい」と気持ちを切り替えた直後に、思いがけない形でメダルが転がり込んだ。

 ただ、準決勝の内容には納得していない。圧倒的な体格差の前になすすべもなかった。奥原の身長156センチに対して、プサルラは179センチ。相手の鋭角でパワーのある強打と隙を突く巧打は想像を超えていた。「予想以上に手が長くて、逆を突かれる場面も多かった。悔しいです」と唇をかんだ。

 過去の対戦成績は3勝1敗。しかし、序盤、相手は得意のスマッシュを封印するなど戦術を変えてきた。第2ゲームには本来のスタイルに戻され、奥原は対応しきれなかった。第2ゲームは10−10からまさかの11連続失点。「相手のクロスについていくのに必死。ずるずるいってしまった」。スマッシュ一発で決められては、得意の粘りも発揮できなかった。

 シングルスでのメダル獲得は日本初。勝って大会を終えることこそできなかったが、快挙をもたらした事実は揺るがない。

 (森合正範)

 【注】●は、草かんむりに内

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