紙面から

メダルへ「強い演技を」 シンクロ・チームTR

チーム・テクニカルルーティン 日本の演技=今泉慶太撮影

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 リオの青空に祭りばやしが響き渡った。3大会ぶりのメダル獲得を目指すチームのテクニカルルーティン(TR)。プログラム「弥栄(いやさか)日本」の冒頭、リフト技で高いジャンプを決め観衆の気持ちをぐっとつかんだ。

 テンポ良く泳ぎ、最後の脚技。8人の16本が同調しながら激しく動くと大歓声がプールを包んだ。ライバルのウクライナを0・3310点上回る、93・7723点で3位発進。主将の乾が「とても緊張した」と話した通り、つまずきが許されないTRを順調にこぎだし、選手たちに安堵(あんど)の表情が広がった。

 デュエットでは乾、三井組が2大会ぶりに銅メダルを奪還した。見守った他の選手たちは、選手村で触らせてもらったという。「すごく重かった。思いも詰まっているし。自分もこのメダルが欲しいと、強く思った」と箱山は明かした。デュエットの勢いをつなげるように、8人は伸び伸びと泳いだ。

 銅メダルをかけ、ウクライナとの一騎打ちとなる決勝のフリールーティン(FR)。五輪の出場枠を争った3月の最終予選ではTRでリードを許し、FRは上回ったものの逃げ切られた。今大会は逆の展開となった。

 この日のTRの得点は、表現力など演技全体を評価するインプレッションで並び、エレメンツ(規定要素)では上だった。「今までの戦いで、世界の中でも日本のテクニックは本物だという格付けがされてきた」と井村雅代監督の言葉にも力がこもる。

 メダルをかけたFRへ。「すごくたくさん練習してきたし、思い入れがある。きょうよりもっともっと気持ちを入れて、もっともっと強い演技をします」。箱山は8人の決意を代弁した。

 (高橋隆太郎)

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