紙面から

吉村、貫いた攻め 丹羽は健闘及ばず

第3試合、ポイントを奪われうつむく丹羽(右)、吉村組=隈崎稔樹撮影

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 吉村の返球がネットに引っ掛かると敗戦が決まった。1−2で後がない第4試合。シングルスで金メダリストの馬龍と対戦した。第2試合で水谷が勝ち、第3試合のダブルスでも大健闘。いい流れのままシングルスに臨んだ。しかし、馬龍はやはり強かった。ストレート負けに肩を落とした。

 五輪の決勝で戦える喜びをかみしめた。準決勝のドイツ戦で銀メダル以上が確定し、「決勝は自分のできることを出し切って、悔いのない試合をしたい」と語っていた通りのプレーだった。

 丹羽と組んだ第3試合のダブルスでは、サーブがさえ、豪快なスマッシュを放ち、1ゲームを奪った。台から離れず、果敢に攻め抜いた。

 金メダルには届かなかった。しかし、五輪の決勝で中国を相手にした2試合の経験は計り知れない。「結果には満足していないが、自分が小さい頃から夢にしていた舞台で戦えたことには満足している」。価値ある銀メダルだった。

       ◇

 1番手のシングルスに起用された丹羽は金メダリストの馬龍と対戦した。2012年に勝利を挙げており、過去の対戦成績は1勝6敗。気後れすることなく、積極的に攻めていった。

 第2ゲーム。4−3の場面で、長いラリーを制し、会場からは拍手が湧き起こった。一時は9−4とリードしたが、馬龍の逆襲に遭い、7連続ポイントを許した。

 結果はストレート負け。「史上初の銀メダルはすごくうれしいが、決勝も何度かチャンスはあったが、生かせなかったので悔しい」。健闘した日本の先陣を果たし、「五輪は終わったが、これからも大きい大会があるし、それに向けてもっと強くなって今度は勝てるように頑張りたい」と前を向いた。

 (森合正範)

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