紙面から

シンクロ乾・三井組に自信と危機感 逆転メダルへTR4番手

デュエット・テクニカルルーティン乾(手前)、三井組の演技=時事

写真

 2大会ぶりのメダル奪還を目指す日本のデュエット。メダル争いに得点が持ち越されるテクニカルルーティン(TR)では、乾友紀子(井村シンクロク)三井梨紗子(東京シンクロク)組の収穫と反省が同居した。

 井村雅代監督に「攻める演技をしてきなさい」と送り出された2人。指示通り、冒頭から脚技がさえる。長さでは欧米勢に負けるが、その分、力強さで対抗。つま先まで芯の通った4本の脚が、テンポ良く正確に動き、スタンドを魅了した。春先には「ただ泳いでいるだけだった」と評した井村監督も、「それぞれの動きがクリアになった。一つ一つの演技が目に残る」と手応えを口にした。

 一方、終盤に二つのエレメンツ(規定要素)でミスがあったと言い、TRは93・1214点。わずか0・0144点差ながらメダルを争う最大のライバル、ウクライナの後塵(こうじん)を拝す結果となった。「力みがあった」と三井は明かす。

 14日に行われた予選のフリールーティン(FR)との合計を187・5214点として予選3位で決勝に進んだ。幸先の良いスタートを切ったが、簡単には流れをつながせてもらえなかった。乾は「予選のFRで良いものを出せたという面と、勝負はまだ分からないという危機感がある」と現実を受け止める。

 最終成績はTRと決勝のFRの合計点で決まるため、現時点で日本は4番手。逆転での表彰台へ、積み上げてきた力の全てをぶつける。

 (高橋隆太郎)

※ご利用のブラウザのバージョンが古い場合、ページ等が正常に表示されない場合がございます。