紙面から

<サンバの鼓動> 悪いニュースない街願う

 「遠いとはいえ、予想以上に日本人の観客が少ないですね。親日国での五輪なのに」

 寂しげに語ったのは、日本ブラジル中央協会理事の小川善久さん(51)。バレーボール女子の会場で取材中に出会った。ブラジルへ赴任する日本企業の社員にポルトガル語を教える会社を営み、普段から両国を行き来している。

 世界の注目が集まる五輪だが、その分、政情不安や治安の悪化など負の面の報道も増える。小川さんによると「実情より悪く伝えられている」といい、そのせいばかりではないだろうが、最近、撤退する日本企業が増えているそうだ。

 リオに来て二週間。良い面を報じたいのはやまやまだが、強盗の多発など治安が良くないのも事実。先日もナイフで脅され、財布やスマートフォン、五輪チケットを取られたという日本人男性三人組に会った。ためらいなくPRできるよう、五輪を契機にこの街が変わってくれることを願っている。(植木創太)

※ご利用のブラウザのバージョンが古い場合、ページ等が正常に表示されない場合がございます。