紙面から

予選落ち、最後に意地 トランポリン、中野蘭菜 

女子個人予選出場した中野蘭菜。13位に終わり敗退=今泉慶太撮影

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 中野は決勝に残れなかったが、大きく難度を上げた演技を初の五輪で披露する「冒険」に出た。

 「第1演技で最下位だったので思い切ってやった。楽しんでできた」。予選通過が厳しい状況で挑んだ第2演技。4月に五輪代表に決まってから、「どうせなら勝負しにいこう」という西川明大コーチのもと、難度点を0・4点上げる決断をしていた。

 冒頭の「抱え込み3回宙返りひねり」を皮切りに、計10回の跳躍に目まぐるしく宙返りとひねりを織り込み、無事に着地した。出来栄えを示す演技点と跳躍時間点は高くなかったが、14・500点の難度点は予選で演技を通した16人の中で5番目。「日本人でこの点数の演技は私しか通せない。五輪でそれを跳べたのは自信になった」

 五輪という舞台にしかない環境がそこにはあった。「空気がすごく重かった」。この日の最年少出場者は二つの演技を中断せず終え、持ち味の安定感を印象づけた。「でも悔しいです。この経験があったから東京五輪でメダルが取れたと言えるようにしたい」。4年後に向け、もっと美しく舞う自分を求める。

 (鈴木智行)

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