紙面から

<サンバの鼓動> 治安 最後は神頼み?

 「治安は大丈夫?」。リオデジャネイロへの出張が決まってから、会う人に聞かれるのは決まって同じこと。会社の上司には「女性だと狙われるから丸刈りにすれば」と冗談交じりに言われてしまった。

 確かに、リオの強盗発生率は日本の六百六十倍。殺人は、なんと二十五倍。「世界有数の犯罪都市」(現地の日本総領事館)だ。実際、リオに着いた翌日、五輪取材の拠点となるメディアセンター近くで女性が乱暴される事件も起きた。

 夜間、早朝に一人で出歩かない。派手な服装はしない。自分の身を守るためにできることはしている。

 それでも、被害に遭う可能性をゼロにはできない。秘策はないか、通訳の女性(39)に聞くと、あっけらかんとした言葉が返ってきた。「長く住んでいても悪い人の見極めはできない。だから危ないと感じたら神様に祈るの」。最後は神頼み。丸刈りの方が効くかも…。 (宿谷紀子)

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