紙面から

小関、自信の6位 100平

男子100メートル平泳ぎ決勝、6位の小関也朱篤=今泉慶太撮影

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 前との距離は縮まらなかった。それでも188センチの長身を生かしたダイナミックな泳ぎは見せた。男子100メートル平泳ぎ決勝で小関は6位。「あくまで目標は200メートル。自己ベストが出て調子がいいのは分かっている。自信をもって頑張っていきたい」と早くも次を見据えた。

 男子平泳ぎは、五輪2大会連続2冠を達成した北島康介さんが支え続けた日本のお家芸。その伝説のスイマーを4月の日本選手権で破り、引導を渡したのが小関だ。

 「北島選手の背中をずっと見てきた立場。超えられたかは分からないが、日本選手権では超えることができた。自信を持ってリオの地に行きたい」。後継者としての自覚を胸に、決戦の地へと乗り込んできた。

 平泳ぎは2種目にエントリーするが「主に200メートルを中心にトレーニングを積んできた」と話す。この日決勝の100メートルは当初、本命に向けたステップアップと位置付けてきた。ところが、6日の予選で自己ベストの58秒91をマーク。これは北島さんが持つ日本記録に0秒01と迫る好タイムだった。

 「ずっと200メートルと言ってきたが、実は100メートルも調子がいい。自信もついてきたし、やることもやってきた」。次元の違う強さを見せるピーティ(英国)は意識せず「僕はおこぼれ(銀、銅メダル)を狙いたいですね」とにやりと笑っていた。

 20歳を超えるまでは無名だった。日体大入学後にクロールを泳ぎ込み、3年途中で本職の平泳ぎに軸足を移した。自由形で鍛えた肩回りの大きな筋肉が、強い腕のかきを生んでいる。

 「無心で泳ぎたい」と言っていたこの日の決勝。おこぼれには預かれなかったが、手応えはある。9日に始まる200メートルへ向け、視界は開けている。

 (高橋隆太郎)

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