紙面から

勝負どころ決められず ホッケー日本女子

インドに引き分け観客に手を振るホッケー女子日本代表=隈崎稔樹撮影

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 初陣に臨んだ「さくらジャパン」はつぼみが開ききる前に終了の笛を聞いた。「自分たちらしいつなぐホッケーがもっとできたはず」と主将の中川。1次リーグB組で世界ランキング10位の日本は初戦で同13位のインドと2−2で引き分けた。

 ペナルティーコーナー(PC)を錦織が直接決め、中島がこぼれ球を押し込んで2点をリードした前半は理想的な展開だった。第3クオーター開始直後にPCから失点すると様相が変わり、約10分後、ゴール前で宙に浮いたボールをたたきつけられて同点。日本側は危険なプレーだとしてビデオ判定を求めたが結果は変わらず、永井監督は「アンラッキー」と嘆いた。

 五輪に向けて脚力を徹底して鍛え、衛星利用測位システム(GPS)で計測しながら試合中の走行距離を伸ばしてきた選手たちは、焦りの表情を見せず勝ち越し点を奪いにいった。ところが決定機を得点に結び付けられず、相手のカウンターへの対処にも時間を浪費させられた。

 インドは同じグループで唯一、世界ランキングが低い。これからは格上の相手との戦いが続く。点取り屋の役割を果たした中島は「ここで1勝するのが目標だったけど、引きずっては駄目」。8日間で5試合を戦う過酷な日程だけに、立ち止まってはいられない。

 (鈴木智行)

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