紙面から

<躍る 中部のリオ代表> (3)中島史恵(ホッケー女子)=岐阜市出身、ソニー

「1試合1得点」を目標に、五輪で得点の量産を狙う中島史恵=岐阜県各務原市の川崎重工ホッケースタジアムで

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◆招集受諾 攻めにいく

 一度は諦めた五輪のピッチ。自分がその場所にふさわしい選手になれた実感を確かめつつ、スティックを振る。「全力でいい結果を残したい」。中島史恵(30)は「さくらジャパン」の中でひときわ目立つ色白の顔に汗を光らせる。

 岐阜総合学園高から進んだ山梨学院大で日本学生選手権を3連覇。名門ソニーに入社し、持ち前の得点力に磨きをかけた。すぐに代表でもFW陣の主力となり、2010年広州アジア大会で銅メダル獲得に貢献した。

 しかし、12年ロンドン五輪メンバーに中島の名はない。納得のいくプレーができず、前年に代表を辞退していた。「好きで始めたはずのホッケーが楽しくなかった。何のためにここにいるんだろう、って」

 その後も招集を固辞していたが、14年の日本リーグで初めて得点王に輝いて心が動く。ちょうど翌年、所属先の監督でもあった永井祐司氏(52)が代表監督に就任。恩師の要請に「この4年で自信がついた。やるだけやってみよう」。再び「さくら」のユニホームに袖を通す決意をした。

 スピードにたけ、位置取りも的確。経験を積み、GKをよく見てシュートを放つうまさも身に付けた。「(08年)北京にも、ロンドンに出てもおかしくなかった」と中島を高く評価する永井監督は「結果を出してくれると思う」と信頼を寄せる。

 点取り屋として「1試合1得点」を自らに課す。舞台が五輪でも、そのポリシーは変わらない。4大会連続出場で同い年の同僚、中川未由希らとともに「チーム全員で攻めたい」。好機を確実に生かし、女子初のメダルを日本にもたらす。(斎藤正和)

◇ホッケー・バドミントン

 ホッケー女子は、16人中11人が中部ゆかりの選手。中川、永井友理(レアル・ソシエダード)、葉月(ソニー)の姉妹、林なぎさ、浅野祥代、真野由佳梨(同)の6人が岐阜各務野高(旧岐阜女商)出身。阪口真紀も岐阜県各務原市を練習拠点とするソニーに所属。ソニーの清水美並、コカ・コーラウエストの西村綾加はともに滋賀県米原市出身。最年長の31歳、小野真由美(コカ・コーラウエスト)は富山県小矢部市出身。

 バドミントンは、女子シングルス勢がともに中部出身。長野県大町市出身の奥原希望(日本ユニシス)がメダル候補。福井県勝山市出身の山口茜(再春館製薬所)も上位が望める。男子シングルスの佐々木翔は富山県高岡市のトナミ運輸所属。同ダブルスの早川賢一、混合ダブルスの数野健太(ともに日本ユニシス)は、大津市坂本小、日吉中、滋賀・比叡山高で1学年違いの間柄だ。

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