紙面から

<躍る中部のリオ代表> (2)長谷川純矢(競泳男子背泳ぎ)=静岡県島田市出身、ミキハウス

メニエール病を乗り越えて臨むリオの舞台で「決勝に残りたい」と意気込む長谷川純矢=東京辰巳国際水泳場で

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◆病乗り越えスパート

 快活な受け答えの選手が目立つ競泳陣で、その素朴で実直な雰囲気は一層際立つ。

 男子100メートル背泳ぎの長谷川純矢(22)は、代表選考会だった日本選手権で地力を見せつけた。ぐんぐん追い上げ元世界王者の古賀淳也(第一三共)をタッチの差でかわし、入江陵介(イトマン東進)に次ぐ2位でリオデジャネイロ五輪への切符を奪い取った。「ラスト15メートルから加速するという、自分のやってきたことを信じた」。言葉を選ぶように、喜びを語った。

 萩野公介(東洋大)、瀬戸大也(JSS毛呂山)ら黄金世代の1学年上で、萩野とは自分が小学4年で初対決し力の差を痛感した。年下の逸材を「小さい時から速くて、憧れ」と言い、映像を見て実際に泳ぎをまねる素直さ、愚直さが成長を促す。

 中京大4年だった昨年、ユニバーシアード(韓国・光州)で50メートル、100メートル背泳ぎで2冠に輝き「もしかしたら」と五輪を意識する。大学1年から指導する佐々木祐一郎コーチは「キックがうまい。足を上手に使って、回転を上げても効果的なキックができているのが強み」と話す。

 ただ、日本選手権に向けた2月の大事な時期、高校2年で発症したメニエール病の症状に苦しむ。目まいや、耳鳴りで十分な練習が積めず。医者には水を毎日2・5リットル以上飲むように言われており「結構、しんどい」と明かす。

 「同じ病気でも頑張っている人がたくさんいる。自分も諦めずに頑張ろうと思った」。困難を乗り越え、たどり着いた夢舞台。「東京五輪で金メダルを取るのが最終目標。リオでは絶対に決勝に残って、その雰囲気を味わいたい」と静かに決意を語る。(高橋隆太郎)

◇競泳・シンクロ・水球

 競泳は女子200メートル個人メドレーの新鋭、今井月(るな、愛知・豊川高)が岐阜市出身。岐阜県勢は他に金メダルの期待のかかる同200メートル平泳ぎの金藤理絵(Jaked、ぎふ瑞穂SG、広島県出身)、男子リレーメンバーの小長谷研二(岐阜西SC、北海道出身)がいる。女子リレーの松本弥生(ミキハウス)は静岡県沼津市出身。男子リレーの小堀勇気(ミズノ)は石川県能美市出身。同じリレーの松田丈志(セガサミー)が中京大出身で、男子個人メドレーの藤森太将(ひろまさ、ミキハウス)は静岡・飛龍高のOB。

 シンクロナイズドスイミングを引っ張る主将の乾友紀子(井村シンクロク)が滋賀県近江八幡市出身。長野市出身の箱山愛香(長野シンクロク)は、チーム一の長身で大きな演技が武器。

 水球はチーム最年少の足立聖弥(日体大)が、岐阜県各務原市出身。角野友紀(全日体大)は三重県四日市市出身。富山市出身の保田賢也(ブルボンKZ)はバラエティー番組でも活躍した。

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