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富山

託す未来 若者も議論 富山大サークル 投票へ活発 

2019年7月20日

「社会に関心 おもしろいのに」

 「数年後に就活を控えている身としては年金や経済が気になる」−。二十一日の投票日を控え、参院選について話し合う学生たちがいた。富山大五福キャンパスの図書館二階。週一回、ニュースや社会問題について議論する大学公認サークル「ニュースサロン」だ。(柘原由紀)

「年金 大丈夫かな…」 「大学にも投票所を]

参院選について話し合う学生たち=富山大五福キャンパスで

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 この日は初参加の二人を含めた学生六人がテーブルを囲んだ。「この党は同性婚合法を言ってます。これも一つのポイントですね」。工学部三年の伊藤拓也さん(20)が選挙情報を紹介するウェブサイトを画面に映しながら、各党の政策を次々と説明する。その後、班に分かれてそれぞれが気になる争点を話し合った。

 「うちらの世代の政策がごっそり抜けている」「子育てなど親子向けの政策は増えてきているのでは」「ネット上で話題性の高い政党が出ているが、投票につながるのか疑問」「大学に投票所がないのは大学生を重視していないのでは」−。議論は活発だ。

 政治への無関心や投票率の低さは選挙のたびに若者の問題とされるが、彼らにはあてはまらない。ニュースサロンの学生だけでなく、社会人や飛び入り参加も歓迎する。議論を見守る顧問の橋本勝教授(64)=大学教育学=は「いま現実に起こっている問題を初対面の人とも話すことがサークルの伝統」と話す。

 都市デザイン学部二年の三宅一輝さん(19)は、愛知県出身で親元を離れて下宿している。三年前の参院選から選挙権が十八歳以上に引き下げられたが、住民票を移さないと投票日に、住んでいる市町村で投票ができないことに「選挙権の年齢は下がったのに、大学生の投票が考えられていない」と注文を付ける。

 富山県小矢部市出身の人文学部一年前田真央さん(18)は「政務活動費不正などで政治にあきらめ、無力感がある。政策よりも地盤などで決まるので盛り上がりに欠ける」と、県内の状況にもどかしさを感じる。

 学生たちにとって時事問題について話すことは特別なことではなく、あくまで自発的に楽しむもの。伊藤さんは「こういう話をするのはやっぱり楽しい。個人的にニュースくらいはみんなに見てほしいかも。もっと社会に関心を持ったらおもしろいのに」と、多くの同世代が気軽に政治参加することを期待する。

 次回は投開票日翌日の二十二日午後六時半から参院選をテーマに開く。

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