• 中日新聞ウェブ
  • 中日新聞プラス

総合

ALS患者、初当選に歓声 れいわの船後さん

2019年7月22日

当選を確実とし、視線で報道陣の質問に答える政治団体「れいわ新選組」の船後靖彦さん=21日午後9時52分、東京都千代田区で

写真

 全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の患者で、れいわ新選組の比例代表特定枠、船後靖彦さん(61)が初当選を確実にし、東京都内のホテルで記者会見した。人工呼吸器を装着しているため「この瞬間が来たことに胸がいっぱい。弱々しく見える僕ですが、根性だけは人一倍、命がけなのですから」との談話を介助者が読み上げた。

 午後八時すぎ、船後さんの当選確実が報道されると、会見場は大きな歓声や拍手で包まれ、涙ぐむ支援者も。船後さんは、ALS患者や障害者が暮らしやすくなるための教育改革を主張。会見では「(患者や障害者に)必要な支援は何か、考え直してもらえる制度をつくりたい」と意気込んだ。

 一般社団法人「日本ALS協会」によると、国会議員では徳田虎雄元衆院議員が在職中に発症、引退した例はあるが、発症後に立候補し、当選すれば船後さんが初めてとみられる。世界的にも非常に珍しいという。

 商社マンだった船後さんは、二〇〇〇年にALSの告知を受けた。〇二年から人工呼吸器などを装着し、〇八年に最後まで動いていた右手中指がまひ。現在は歯でかむセンサーでパソコンを操作し、執筆や講演を続けている。

主な政党の公約

新聞購読のご案内