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総合

改憲勢力3分の2に4議席足りず 全議席確定

2019年7月22日

 第二十五回参院選は二十二日午前、改選百二十四議席(選挙区七十四議席、比例代表五十議席)が確定した。自民党と公明党の与党、改憲に積極的な日本維新の会は計八十一議席で、非改選を加えた改憲勢力(無所属議員も含む)は計百六十議席にとどまり、改憲発議に必要な三分の二(百六十四議席)まで四議席足りなかった。自民は五十七議席、公明は十四議席を獲得し、与党で改選過半数(六十三議席)を上回ったものの、改選前の七十七議席には届かなかった。選挙区の投票率は48・80%で、過去最低だった一九九五年の44・52%に次ぐ低水準だった。

 三十二の改選一人区では、自民が二十二議席、立憲民主、国民民主、共産、社民の野党四党が擁立した統一候補が十議席を得た。二〇一六年の前回参院選の十一議席には及ばなかった。

 選挙結果を受け、自公の幹事長らが二十二日午前、国会内で会談し、二十九日に衆参両院の議院運営委員会を開いて、参院選後の臨時国会の日程を正式決定することを確認した。政府・与党は臨時国会を八月一日に召集する日程で調整している。

 二十二日午後には安倍晋三首相と公明の山口那津男代表が会談した。首相はその後、自民党総裁として記者会見し、今後の政権運営や改憲などについて考えを示す。

 自民は改選議席から九減らし、単独過半数も失った。公明は〇一年の非拘束名簿式導入以降の最多議席に並んだ。政権内で発言力が強まる可能性がある。首相が目指す改憲の行方にも影響を与えそうだ。

 野党の獲得議席は、立民が改選九から倍近くの十七に増えた。維新も三増で十。国民は二減の六、共産は一減の七、社民は改選前と同じ一だった。

 「れいわ新選組」が二議席、「NHKから国民を守る党」が一議席を、それぞれ比例代表で得た。政党要件を持たない諸派が比例議席を得たのは現行制度下で初めて。れい新は比例で、N国は全国を通じた選挙区での得票率が2%を超え、法律上の政党要件を満たした。

 女性の当選者は選挙区十八人、比例代表十人の計二十八人で、過去最多だった一六年参院選に並んだ。今回の参院選は比例代表に、個人票によらず優先的に当選できる「特定枠」が導入された。

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