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総合

れい新弱者に寄り添い存在感 SNSを駆使、寄付4億円超

2019年7月22日

支援者らとともに議席確保を喜ぶれいわ新選組の山本太郎代表=21日午後8時5分、東京都千代田区で

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 参院選で複数議席を獲得した政治団体「れいわ新選組」。現職国会議員は代表の山本太郎参院議員だけで、法律上の政党要件を満たさず、四月の結成からわずか三カ月にもかかわらず、日を追うごとに注目が高まり、台風の目のような存在になっていった。

 「金持ちをより金持ちにするためのしりぬぐいに消費税が使われている事実を、多くの方々が共有している。そのような状況で(れい新に)期待をかけてくださっていると思う」

 山本氏は二十一日夜の民放番組で、躍進の背景をこう分析した。

 短期間で支持を広げた理由の一つは、社会的な困難に直面している当事者を候補者に多くそろえたことだ。比例代表は、特定枠に重度障害者二人を立てたほか、シングルマザーや元コンビニ経営者らも擁立。街頭演説で各候補は実体験に基づいた具体的な改善策を訴え、弱者に寄り添う姿勢が説得力を持って受け入れられた。うなずきながら演説に聞き入る聴衆が多くみられた。

 こうした主張を広く伝えるのに役立ったのが、投稿サイトのツイッターをはじめとする会員制交流サイト(SNS)。知名度があり、フォロワーが三十万人を超える山本氏が街頭演説の動画や投票の呼び掛けを投稿すると、多くの人がリツイート機能で転送し、演説を見られない人や政治に関心のなかった人にまで拡散した。れい新への寄付金は四億円を超えた。

 山本氏は六年前の参院選では東京選挙区で当選したが、今回は比例に転出。特定枠に入らず、自らを当落線上に置いた戦術もプラスに働いた。「安倍一強」の六年半で、野党の支持率が上がらず閉塞(へいそく)感が続く中、既存政党にない新味をアピールし、新たな選択肢として存在感を見せた。

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