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総合

改憲勢力3分の2割れ 自公が改選過半数、立民倍近く

2019年7月21日

 第25回参院選は21日、投開票された。安倍政権下での憲法改正に前向きな「改憲勢力」は85議席に達せず、非改選79議席と合わせて3分の2(164議席)を割り込んだ。自民、公明両党は目標とした改選過半数の63議席を上回ったが、自民党は改選議席より減らした。公明党は伸ばした。立憲民主党は倍近くに増やした。国民民主党は改選議席に届かなかった。共産党は議席を増やせず、日本維新の会は伸長。政治団体「れいわ新選組」は議席を獲得した。

 改憲勢力には自公両党と維新、改憲容認の諸派、無所属が含まれる。改憲案の国会発議には衆参両院で3分の2以上の賛成が必要。立民などの野党は、改憲勢力3分の2議席阻止を訴えてきた。

 安倍晋三首相(自民党総裁)はNHK番組で「3分の2の多数は、これから国会の憲法審査会の議論を通じて形成していきたい」と強調した。

 与党は非改選の70議席と合わせれば参院過半数の123議席を大幅に超える。2012年12月以来、6年半続く首相の政権運営が継続する。ただ自民党は改選66議席を下回り、50台後半の見込み。単独過半数も維持できなかった。野党各党は10月の消費税増税に反対したが、首相は増税の必要性を明言した。

 32ある改選1人区は、自民党が前回16年選挙を一つ上回る22勝だったが10選挙区で落とした。立民など野党5党派の一本化候補は東北4県や新潟、長野、大分、沖縄などで自民候補を下した。

 自民党は13の改選複数区で最低1議席を確保。広島は2人擁立したが現職が落選した。比例代表は前回の19議席に届く勢い。公明党は改選前より多い13議席に伸ばした。

 立民は複数区と比例が堅調で、改選9議席から17議席まで積み上げた。国民は比例で苦戦したが、選挙区で国民系の無所属が複数当選。共産の改選8議席維持は比例次第だ。維新は改選7から10議席まで積み増した。社民党は比例で1議席、れいわは比例で2議席獲得。政党要件を持たない諸派が比例議席を得るのは01年に非拘束名簿式を導入して以降、初めて。

 投票率(選挙区)は共同通信社の22日午前1時20分現在の推計で48・80%。前回を大幅に下回り、過去最低だった1995年の44・52%以来の低水準となる見通しだ。期日前投票は前回比で6・79%増えた。

 参院選は改選124議席(選挙区74、比例50)に計370人が立候補。比例で優先的に当選する「特定枠」が導入された。

(共同)

開票センターでテレビ局のインタビューに答える自民党の安倍首相(右)と立憲民主党の枝野代表=21日夜

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