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総合

改憲勢力3分の2は微妙 終盤情勢

2019年7月17日

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 共同通信社は第二十五回参院選について十四〜十六日、全国の有権者約四万三千人を対象に電話世論調査を実施し、終盤情勢を探った。取材も加味すると、自民、公明両党は改選百二十四議席の過半数六三を超え七〇台に乗せる勢いを保つ。安倍政権下の憲法改正に前向きな「改憲勢力」が国会発議に必要な三分の二以上の議席を維持するかどうかは微妙だ。

 立憲民主党は改選九議席から倍増の二〇台が望める。国民民主党は改選八議席の維持が厳しい。共産党は改選議席の確保、日本維新の会は改選議席の上積みを視野に入れる。

 投票先を未定とした人は選挙区40・5%、比例代表40・7%あった。二十一日の投開票日までに情勢が変わる可能性は残る。

 自民は七月四、五両日の序盤情勢に続き、全国三十二の改選一人区の大半でリード。立民、国民、共産など五党派が擁立した野党統一候補が優勢に立つのは長野などにとどまる。東北地方や新潟、愛媛で与野党陣営が激しく競っている。

 自民は、二人を擁立した四つの改選複数区のうち千葉、広島の二人目が当落ライン上で戦う。比例代表は三年前と同じ十九議席前後の見通しだ。

 公明は目標とする十三議席以上の達成が見えてきた。候補を出す七選挙区のうち兵庫が混戦模様だ。

 立民は十三ある改選複数区で着実に議席を伸ばし、複数のタレント候補を立てた比例も十議席前後となる見込みだ。

 国民は党支持率の不振を反映した格好で、比例や複数区で苦戦が続く。共産は複数区で議席増を狙う。日本維新の会は本拠地大阪での二議席に加え、比例議席増も期待できる。社民党は一議席死守の情勢。諸派のれいわ新選組は比例一議席確保の可能性が強まった。

 改憲勢力は安倍政権下での改憲に前向きな自民、公明、維新や諸派、無所属議員の総称。合計八十五議席を獲得すれば非改選議席と合わせ三分の二以上(百六十四議席)に到達する。

 【調査の方法】十四〜十六日の三日間、全国の有権者を対象に、コンピューターで無作為に電話番号を発生させて電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施。今回、無作為に発生させた番号のうち、実際に有権者がいる世帯にかかったのは五万四千五十件。うち四万三千六百十四人から回答を得た。

◆愛知は自民、国民が磐石

 二十一日投開票の参院選で、中日新聞社は十六日、中部九県(愛知、岐阜、三重、長野、福井、滋賀、石川、富山、静岡)の終盤情勢調査の結果をまとめた。長野、滋賀を除く七県で、自民が優位な戦いを進めている。

 主要政党などの十二人が乱立した愛知選挙区(改選数四)では自民、国民の現職二人が盤石。公明、立民の新人二人が有利に戦いを進めている。共産、維新の新人二人が懸命の追い上げを図り、社民新人は苦戦している。

 三重、岐阜、長野、福井、滋賀、石川、富山はいずれも改選数一。三重は自民現職が優位に立ち、野党統一候補の無所属新人が挽回を図る。岐阜、福井、石川、富山はいずれも自民現職が大きくリードする。

 滋賀は、野党四党の推薦を受ける無所属新人が一歩リードし、自民現職が追い上げる展開。長野は国民現職が広く浸透し、自民新人が懸命の巻き返しを図る。

 静岡(改選数二)は、自民現職が盤石。国民現職が優位に戦いを進め、立民新人が追い上げを図る。

 調査は十四、十五日の二日間、中部九県の有権者に電話で実施。コンピューターで無作為に発生させた固定電話の番号にかけ、六千八百九十四人から有効回答を得た。

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