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ネットで投票依頼、線引き曖昧

2019年7月8日

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 参院選が公示され、インターネット上でも政党や候補者の支持呼び掛けが熱を帯びてきた。国政選挙では2013年の参院選から、インターネットでの選挙運動が解禁された。候補者らの情報収集をしやすくなった一方、一般有権者がネット上で候補者らへの支援を呼び掛ける際、気づかずに違法行為をしかねないリスクもある。禁止される行為の線引きが曖昧なためだ。

 有権者は公示から投票日前日までの選挙期間中、LINE(ライン)やツイッター、フェイスブックなどのあらゆる会員制交流サイト(SNS)やブログ、動画サイトなどで、特定の候補者への投票を呼び掛けることができる。候補者本人の文章や動画を、ネット上で紹介することも可能だ。ツイッターのダイレクトメッセージなど一般有権者が知人に「○○さんに投票して」と依頼することもできる。

 しかし、電子メールで支持を呼び掛けることができるのは政党と候補者だけ。有権者には認められておらず、候補者や政党から受け取ったメールを、知人に転送することもできない。

 総務省選挙課は、メールでの投票呼びかけについて「なりすましの恐れが高い」と説明するが、SNSの活用については、ネット選挙を普及させるため規制は行わない方針だ。

 こうした分かりにくいルールを正そうと、超党派の国会議員でつくる「若者政策推進議員連盟」は今年6月26日、有権者にも電子メールの使用を認めるべきだとの提言を発表。次期国会の公選法改正案の提出を目指している。

 議連の幹部議員は「なりすましの恐れはSNSにもあり、メールの使用を禁じる理由にはならない。ルールを同じにすべきだ」と語った。

 公選法はこのほか、18歳未満の選挙運動を認めていない。17、18歳が混在する高校3年生は、選挙期間中はライングループなどのやりとりに注意が必要になる。候補者に関する虚偽の情報の拡散やなりすまし、悪質な中傷は処罰対象となることもある。

 (大野暢子)

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