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総合

タレント、元スポーツ選手…積極擁立 票の獲得「知名度」頼み?

2019年7月3日

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 四日公示の参院選を巡り、与野党がタレントや元スポーツ選手など著名人の新人候補擁立に積極的だ。知名度に期待し無党派層を中心に幅広く票を掘り起こす狙い。特に組織力に課題が残る立憲民主党が発掘に力を入れる。ただ、候補の政治手腕を疑問視する見方もある。

 六月末の東京都のJR恵比寿駅前。立民公認で立候補するアイドルグループ「モーニング娘。」の元メンバーの市井紗耶香氏は緊張した面持ちで訴えた。「政治の世界に子育ての当事者があまりに少なすぎる。子どもたちのために頑張りたい」。四人の子どもの母親だ。この日は街頭演説の「デビュー戦」。聴衆から声援を受ける一方「中身が全くない」と立ち去る人もいた。

 最も多数の著名人を擁立する立民では比例代表に市井氏のほか、芸人のおしどりマコ氏、アカペラグループ「RAG FAIR」元メンバーの奥村政佳氏、元格闘家の須藤元気氏、「筆談ホステス」として知られる斉藤里恵氏の五人を並べた。

 参院選の比例代表は、「政党名」のみの衆院選とは異なり「政党名」「個人名」のどちらでも投票が可能。個人名票も政党の得票として数えられるため、たとえ本人が当選しなくとも、党全体の票の底上げ効果は期待できる。

 立民幹部は「党内でも賛否が割れるが、選挙に勝つためだ」と明かす。

 過去に著名人を多数擁立してきた自民党は、元F1ドライバーの山本左近氏を比例代表、愛媛選挙区(改選数一)でタレントのらくさぶろう氏を擁立予定。国民民主党は、行政書士でタレントの小山田経子氏を比例代表、スリランカ出身のタレント、にしゃんた氏を大阪選挙区(改選数四)でそれぞれ擁立する。

主な政党の公約

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