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総合

中部6県、予想される顔ぶれ

2019年6月23日

 安倍政権に対する評価が主な争点となる参院選が近づいてきた。七月四日公示、二十一日投開票が有力だ。各選挙区に立候補を予定する顔ぶれも出そろいつつあり、戦いの構図が見えてきた。

◆11人立つ激戦か 愛知

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 改選数が一増。公明が新人を擁立し、与党側は自民と合わせて二議席確保を図る。立民、国民、共産、減税なども絡む激戦になる。

 自民は一時、二人目擁立論も浮上したが、現職酒井に絞った。公明新人の安江には推薦を出した。旧民進系は、立民の新人田島と国民の現職大塚が出馬する。ともに連合愛知の組織票をもとに上積みを図る。共産の新人須山、社民の新人平山は三年前に続く挑戦。河村たかし名古屋市長が率いる減税は、日本維新の会との統一候補として新人岬を擁立した。減税が国政選挙で当選者を出せば、初めてとなる。現職の薬師寺道代は衆院選にくら替えし、出馬を見送る。

◆自民議席の行方注目 三重

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 岡田克也衆院議員(三重3区)らが率いた旧民進が地盤とした県。六年前、県選挙区で十五年ぶりに勝った自民が、議席を死守できるかが焦点だ。野党統一候補の無所属新人との事実上の一騎打ちとなる。

 再選を目指す自民の吉川=公明推薦=は道路整備などの実績をアピール。菅義偉官房長官や閣僚経験者らが続々と応援に入る見込みだ。無所属で元県議の芳野=立民、国民推薦=は、旧民進系の地域政党・三重民主連合が擁立する形となる。三年前も統一候補が自民候補に二万票差で勝利しており、この再現を期す。新人で知名度不足が懸念材料となるため、岡田も精力的に街頭に立つ。

◆保守王国に野党新人 岐阜

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 衆参の県内全選挙区を自民が独占している保守地盤。自民現職に、野党統一候補の立民新人が挑む。

 再選を目指す自民大野=公明推薦=は県内各地を歩き、地盤固め。党県連は六年前に獲得した五十万票を目標に掲げる。立民梅村は、市民団体や四党(立民、国民、共産、社民)の県組織がつくった「ピースハートぎふ」と基本政策で合意した。野党共闘でどれだけ票を上積みできるか。

 他の政治団体にも擁立を模索する動きがある。

◆国民現職VS自民 長野

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 改選数が一減。高い知名度を誇り、五選を目指す国民現職と、自民新人による事実上の一騎打ちになりそうだ。

 国民の羽田は立民、共産、社民も推す野党統一候補。首相を務めた亡き父の孜から引き継いだ後援会が票を固める。四月の県議選では、地盤の上田市・小県郡選挙区で国民現職が落選するなど集票力には陰りも見える。自民の小松は今期限りで引退する吉田博美自民参院幹事長の後継指名を受けた。二年前まで衆院議員を二期務めた。地盤は長野市を含む衆院長野1区。

◆現職に前知事挑む 滋賀

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 再選を目指す自民現職に、知名度の高い前知事が挑む。

 自民の二之湯=公明推薦=は、各地で集会を開き、支持固めに余念がない。自民は四月の県議選で議席を減らしており、県連は支援組織への働きかけを強めている。前知事の無所属新人の嘉田は立民、国民、共産、社民が推薦する野党統一候補。県内の主要駅前で演説を重ねている。

 他の政治団体にも擁立を模索する動きがある。

◆共産で野党一本化 福井

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 全国三十二の改選一人区で唯一、野党陣営が共産公認候補で一本化した。強固な地盤を誇る自民現職に挑む。

 自民の滝波=公明推薦=は、四月の知事選の保守分裂騒動の余波が懸念材料。党推薦候補に敗れた現職(当時)を一部自民県議らが支援したが、滝波も党推薦候補を支援しなかったとして県連幹部が批判している。参院選に向けた動きに影響が出る可能性がある。

 共産山田は改憲反対などを打ち出し非自民の結束を目指すが、連合福井は応援しないことを決めた。野党勢力も一枚岩ではない。

 他の政治団体にも擁立を模索する動きがある。

 (敬称略)

▼選挙区名のカッコ内漢数字は改選数。愛知、長野の改選数増減は2016年参院選から適用された定数「10増10減」の残り分▼並びは参院勢力順、同数の場合は衆院勢力順▼党派の略称は自=自民、公=公明、立=立民、国=国民、共=共産、社=社民、減=減税、諸=諸派、無=無所属

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