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静岡

現職2人の牙城崩せず 立民・徳川さん

2019年7月22日

◆「死力尽くした」

悔しさをにじませ支援者と握手を交わす徳川家広さん=21日午後9時20分、静岡市葵区で

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 現職二人の牙城は崩せなかった。徳川家広さん(立民新人)は静岡市葵区で「予想以上に大きな敵と、死力を尽くして戦い切った。後悔は全くございません」と敗戦の弁を述べた。

 午後八時四十分、支援者ら三十人が集まった会場に神妙な面持ちで姿を見せた。牧野聖修・総合選対本部長があいさつをしている際に何度もうつむき、悔しさをにじませたが、「政治経験がない身から立候補し、党やスタッフ、ボランティアの皆さんが限界以上の力を出してくれた。感無量でございます」と語った。

 徳川宗家十八代目・恒孝さんの長男。米国滞在が長く、政治経済評論家として活躍したが、「戦後日本の価値観を守りたい」との思いから、五月下旬に立候補を表明した。「徳川」の知名度から比例代表を勧める声もあったが、家康が晩年を過ごし「江戸の平和を考え抜いた」駿府(静岡)での出馬にこだわった。

 選挙戦では中部電力浜岡原発(御前崎市)の廃炉や護憲を主公約に掲げた。県内をくまなく回り、小さな演説を繰り返し、有権者とひたすら握手を交わす「どぶ板選挙」に徹した。しかし、県内の党基盤の弱さは補えなかった。

 十七日間の選挙戦を振り返り「大きな歴史的なうねりの始まりになると感じている」と話した。「どういう形になるかは分からないが、静岡の生活を守ることにはずっと尽くしていきたい」と続け、選挙への再挑戦にも「ゼロではない」と否定しなかった。

(広田和也)

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