老後、夫婦で三十年暮らすために貯蓄が二千万円必要という金融庁の試算を聞いて、リアルな数字だと感じました。野党は批判していますが、地に足の着いた数字で国の本音でしょう。

　印刷会社のプロジェクトリーダーとして、静岡県中東部を回り、妻と中学三年生の娘を養っています。定年も見えてきましたが、娘にはまだまだお金がかかる。妻とは、今ぜいたくするよりも老後のためにためようと相談し、財形貯蓄などをしています。

　老後の主な収入は年金ですが、それだけに頼らなくて済むように将来設計をしてきました。稼げなくなる老後の安定を政治家に期待していません。国の制度だけに頼らず、自立できる蓄えが必要です。

　ただ少子高齢化が進む日本で年金制度がいつまで保てるか。さらに若い世代が大変な思いをするのでは、と心配です。

（牧野新）