願う 一票の現場<4> 女性活躍
2019年7月12日
◆多様な目線を大切に
自治会長印を手にする原田里美さん。「いろんな人の意見を取り上げることが大事」と話す=浜松市浜北区役所で |
控えおろう、とは言わないが、手にした印鑑には町を支える重みと誇りがある。浜松市浜北区の原田里美さん(70)は、区内では初、市内でもまだ珍しい女性の自治会長だ。二百世帯ほどが暮らす「寺島東自治会」の名が刻まれた印鑑は、その証しでもある。
この春に就任し早速、「世帯の代表者」としていた会員の定義に、家族も含めるよう規約を変更した。実際の活動は、男性が多い世帯主だけではないからだ。災害時の避難所運営で女性の意見を取り入れるため、防災委員には女性にも入ってもらった。
市七区によると、七百三十八自治会のうち、女性の会長は十人しかいない。参院選でも、女性候補者数は全体の三割に届かない。
「いろんな人の意見を取り上げることが自治会運営には大事。何かを決める場に女性の目線で言えるよう、役員が増えてほしい」と原田さん。あれ、この言葉、国会にも通じるような−。
写真・斉藤直純
文・飯田樹与