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静岡

願う 一票の現場<3> 憲法

2019年7月11日

◆条文の調理 じっくりと

和やかな雰囲気の中で憲法の勉強会を開く石川久美恵さん(中央)=浜松市西区のMeimeiサロンで

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 浜松市西区にある料理教室の会場で、食欲をそそる酸っぱい香りが漂う。ただ、主婦や子供ら十人の手元にあるのはレシピではなく、レジュメ。今回のお題は「憲法」だ。

 気軽に憲法のことを話し合おうと、料理講師の石川久美恵さん(32)が企画した。「見比べてみましょう」とスライドに映したのは、現憲法と自民党改憲草案。二児の母の佐藤恵さん(31)は「平和を決意した前文が結構削られてる…」と違いに驚いた様子だ。

 深谷嘉菜江さん(38)が気になったのは拷問を禁じた三六条。「絶対に」を削った草案に「拷問がありえるの?」と首をかしげた。

 党総裁の安倍晋三首相は参院選の争点に改憲を掲げ、国会での議論が足りないと野党を批判する。しかし、公明党が自民の草案に同調せず、与党の足並みはそろっていない。

 一方、料理教室での議論は二時間以上も続いた。酸っぱい香りの正体は、昼食用に準備しておいた、ちらしずし。石川さんは一口食べて、うなずいた。「具材も条文も、一つずつちゃんと確かめないとね」

 写真・袴田貴資

 文・鈴木凜平

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