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静岡

願う 一票の現場<2> 格差

2019年7月10日

◆笑顔守れる世の中に

毎週「子ども食堂」を開くNPO法人サステナブルネットの渡辺修一理事長。元気な子どもの顔を見るのが楽しみだ=浜松市東区の長上協働センターで

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 「さあ、たくさん食べて」「おいしい!」。テーブルを彩るのは、ミートスパゲティやジャガイモのポタージュ。子どもたちは大きく口を開け、せわしなくフォークを運ぶ。ちょっと、ソースが口に付いてるよ。

 毎週土曜の夜、浜松市東区で開かれる「やらまいか子ども食堂」。食事を無料で振る舞い、生活が大変なひとり親家庭などを支える。長男誠一郎君(8つ)を連れた山田法子さん(34)=南区=は「働きながら子育てする私にとっても、ひと息つける場所」と頬を緩める。

 国内では戦後最長の好景気が続いてきたとされる一方、格差が広がったというデータがある。子ども食堂の取り組みは近年、その溝を埋めるかのように各地で一気に広がった。

 「でも、支援の連携は十分じゃない」。主催するNPO法人サステナブルネットの理事長・渡辺修一さん(57)は語る。ボランティアや寄付に頼る運営は、楽ではない。地域や行政、企業、それに政治−。もっと手を携え、子どもの笑顔を守れる世の中にしたいと思っている。

 写真・川戸賢一

 文・坂本圭佑

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