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静岡

静岡への思い訴え 公示後、初の週末

2019年7月7日

写真は左から、牧野京夫氏=6日、伊東市で、徳川家広氏=6日、JR富士駅前で、榛葉賀津也氏=6日、静岡市葵区で、鈴木千佳氏=6日、富士市で(写真は左から届け出順)

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 参院選は六日、公示後初の週末を迎えた。二十一日の投開票に向け、舌戦を繰り広げる静岡選挙区(改選数二)の四候補の街頭演説から、地元・静岡ならではの訴えに絞り、耳を傾けてみた。

 自民現職の牧野京夫氏(60)は六日夕、伊東市のJR宇佐美駅近くでマイクを握った。観光地としての静岡の魅力を挙げつつ、「美しい景観を形成する海や川、山は時として私たちの脅威になる」と主張。

 「国は、防災・減災のための緊急対策事業を県内の二百四十カ所で進めている。住民や観光客に安心してもらえるよう、できることをしなければならない」と続けた。

 伊豆縦貫自動車道やクルーズ船用の港湾など、国が主導する静岡のインフラ整備にも触れ、国土交通副大臣の立場をアピールすることも忘れなかった。

 立憲民主新人の徳川家広氏(54)は常に、浜岡原発(御前崎市)の廃炉に演説の大半を費やす。六日のJR沼津駅では「沼津は日本有数の港町だが、(原発事故が起きれば)必ず悪い影響は出る。漁業も農業も壊滅し、生活も崩壊する」と指摘した。

 演説の冒頭では、静岡が徳川家ゆかりの地という強調も欠かさない。この日も「東京生まれ東京育ちだが、静岡との縁は五世紀に及ぶ。私の魂は静岡に根を張っている」と静岡愛を強調した。

 国民民主現職の榛葉賀津也氏(52)は一日かけて静岡市内を回り、各所の演説で「静岡のことを知り抜いている候補者に政治をやらせてほしい。私は静岡で生まれ、育ち、学び、静岡の水を飲み、米を食べて大きくなった」と声を張り上げた。

 菊川市生まれ。地元出身を強調する狙いは、支持層が重なる徳川氏を意識して、とみられる。

 地元の経済に言及することも多い。正午すぎの新清水駅前では、七夕祭りでにぎわう地元商店街を引き合いに、「月曜日には誰もいない。街は、日本は、消費が冷え込んでいる。暮らしを底上げして清水の街から元気にしたい」と語った。

 共産新人の鈴木千佳氏(48)は党員、支援者らと共に富士市内を回った。周辺都県と比べた最低賃金の低さに言及し、「静岡県の最低賃金は隣の神奈川県と比べて百二十五円も安い。コンビニのおにぎりは同じ値段。でも給料は安い。人口流出の大きな要因になっている」と語り、全国一律千円への引き上げを訴えた。

 静岡選挙区には諸派新人の畑山浩一氏(49)も出馬している。六日は自宅がある愛知県岡崎市から静岡入りし、七日まで徹夜で各地の選挙掲示板にポスターを張り続けるという。街頭演説などはしない。

(参院選取材班)

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