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静岡

立候補予定者が早くも舌戦

2019年6月30日

写真左から街頭で演説する立民新人の徳川家広さん=29日、浜松市天竜区で、支援者と握手する国民現職の榛葉賀津也さん=29日、浜松市天竜区で、決起大会に出席した自民現職の牧野京夫さん=29日、静岡市駿河区のホテルで、街頭で支持を訴える共産新人の鈴木千佳さん=29日、静岡市葵区で

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 参院選が七月四日公示と決まり、初の週末となった二十九日、静岡選挙区(改選数二)に立候補を予定する自民、立憲民主、国民民主、共産各党公認の現新四人は浜松市天竜区やJR東静岡駅前などで、党の政策や持論を訴えた。公示に向け最後の週末でもあり、三十日も舌戦を繰り広げる。

◆徳川さん 浜岡の廃炉に言及

 くしくも同じ天竜区でマイクを握ったのは、「自民一強」に挑む立民新人の徳川家広さん(54)と国民現職の榛葉賀津也さん(52)。

 徳川さんは演説で、主公約に掲げる浜岡原発の廃炉に言及し、「浜岡に何かが起これば全県が被害を受ける。一刻も早く撤去しないといけない」と訴えた。

 スーパーマーケット前では「終身雇用を守れない」とした経団連の中西宏明会長の発言に触れ、「戦後の日本企業を全否定したアベノミクスの敗北宣言。(旧民主党時代の)子ども手当のようにバラマキでいい。家庭に直接お金を入れて消費に回ることが、経済を成長させる」と呼び掛けた。三十日は県中部を回る。

◆榛葉さん 年金党派超え議論

 榛葉さんは天竜区を一日かけて回った。党の公約に掲げる「家計第一」を念頭に、地域の実情を盛り込んだ演説を展開。林業が盛んな土地柄に合わせ、森林整備のために四月から始まった「森林環境税」に触れ、「(将来的に)浜松市で一億二千万円の補助金が付く。貴重な財源をどう活用していくか、市と天竜区と国が一体となって考えないといけない」と述べた。

 スーパー前では、老後資金で二千万円が必要とした金融庁報告書問題に触れ「年金が崩壊しようとしているのは事実。党派を超えて議論しないといけない」と訴えた。三十日は県中部で支持を呼びかける。

◆牧野さん 年金制度修正必要

 自民現職の牧野京夫さん(60)は静岡市のホテルであった党比例代表の立候補予定者の決起大会に参加。金融庁報告書問題に言及し「最初に作った制度が百パーセント正しいということではない。時代の変化の中で修正が必要で、年金だけでなく医療費抑制も大事だ」と説いた。国土交通副大臣の公務のため三十日夜には都内に戻る。

◆鈴木さん 野党と市民で共闘

 共産新人の鈴木千佳さん(48)はJR東静岡駅前などで共産市議らと街頭に立った。自身も小学生の娘を育て、高等教育無償化や消費増税の凍結など子育て世代、若者向けの政策を掲げる。「野党が競い合って自民、公明、補完勢力の維新を少数派に追い込む。野党と市民の共闘が勝利する戦いにしよう」と呼び掛けた。金融庁報告書問題にも触れ「年金積立金はため込みすぎ。計画的に取り崩して最低保障年金をつくり、給付額を増やす」と語った。三十日は雨予報のため、街頭での活動は控える。

 静岡選挙区には諸派新人の畑山浩一さん(49)も出馬を表明している。

(参院選取材班)

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