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滋賀

野党共闘、巨壁に穴 嘉田さん草の根勝利

2019年7月22日

当選確実となり、花束を手に笑顔の嘉田さん=大津市で

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 「この瞬間を夢見ていた。草の根民主主義の原点、支え合い、助け合う、近江ならではの結果が出た」。初当選を果たした嘉田さんは、大津市内のホテルに集まった支援者二百人を前に、満面の笑みを見せた。

 選挙戦中に支援者から受け取ったキキョウの花を手に、「県民一人一人のお力をいただいた」と感謝。支援者らは「おめでとう」「よく頑張った」などと歓声を上げながら、割れんばかりの拍手を送った。

 二〇〇六年の知事初当選時と同様、「草の根選挙」を掲げ、山間地域など県内をくまなく回った。知事を引退してから五年がたつが、知名度は抜群で、選挙カーから支持を呼び掛けると住民が次々と家から出てくる人気ぶり。嘉田さんは「知事時代に地道に着実に努力をしてきたことを見てくれている住民が多かった」と振り返る。

 一七年の衆院選では滋賀1区から出馬するも、野党が分裂して惜敗。今回は「野党統一候補でなければ出馬しない」と宣言していた。選挙戦では、「統一候補としての大きな責任がエネルギーになっている」と野党の協力の効果をたびたび強調した。

 消費税増税反対や原発ゼロ、安倍政権下での改憲反対など四党の共通政策を訴え、安倍政権批判も重ねて野党支持者の心をつかんだ。さらに、必要性の低い公共事業を減らし、子育て支援や教育、雇用確保などに力を入れた知事時代の「もったいない県政」の実績もアピール。今回は「『もったいない!』のその先に」をスローガンに掲げ、「人を大切にする政治を国政に展開したい」と訴え続けた。

 嘉田さんは「生活の基盤を壊している安倍政権に、声を上げていく転換点。全力でこの結果を受け止め、仕事をしたい」と気を引き締めた。

主な政党の公約

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