参院選は２１日の投票まで残り１週間に迫った。滋賀選挙区（改選数一）では３連休初日の１３日は、事実上の一騎打ちとなっている無所属新人の嘉田由紀子さん（６９）＝立憲民主、国民民主、共産、社民推薦＝と、自民現職の二之湯武史さん（４２）＝公明推薦＝が、より多くの有権者に会おうとＪＲ駅前や集客施設などを駆け回り、支持を呼び掛けた。同選挙区には、政治団体「ＮＨＫから国民を守る党」新人の服部修さん（４５）も立候補している。

　嘉田さんは湖東地域を中心に遊説。愛荘町のショッピングセンター平和堂愛知川店前では、小雨が降りしきる中、マイクを握り「横一線の激戦。何とか勝たせていただきたい」と支持を呼び掛けた。

　持論の高校、大学も含んだ授業料の無償化を主張し「子どもは社会の宝。自民党が言う『親の自己責任』ではなく、子どもの未来を政治で切り開きましょう」と強調。原発ゼロや安保法制の廃止なども訴えた。

　演説後には、「嘉田さーん、頑張ってー」と握手を求める買い物客の姿も。嘉田さんは「ありがとう。最後まで頑張ろう」と顔をほころばせ、一人一人と大事そうに握手していた。

　十四日には、国民民主党の玉木雄一郎代表が十一日に続いて来県する。陣営関係者は「安倍政権にストップを掛ける第一歩にするため、四野党の共闘で勝ち切りたい」と意欲を語った。

（成田嵩憲）

　二之湯さんは、応援に駆けつけた菅義偉官房長官とともに、彦根市を皮切りに湖東・湖南地域を中心に街頭演説に臨んだ。

　草津市西渋川の商業施設「エイスクエア」前では、人口減少社会に入った令和の時代について「どのように乗り切っていくのか、どのように社会を良くしていくのかということだと思う。相手の批判とか、相手を悪く言うことからは、何も生まれない」と述べた。

　その上で、社会保障制度に関し「皆さんの年金の不安がないように、子育ての不安がないようにするため、お金をかけないといけない」とし、安倍政権の経済施策で原資を増やす必要性や、自身の実績を強調。買い物客六百人（陣営発表）に支持を訴えた。

　菅さんも、経済に精通する二之湯さんを評価し「自民党の改革を応援してくれるのは二之湯候補。支援の輪を広げて」と呼び掛けた。

（浅井弘美）