• 中日新聞ウェブ
  • 中日新聞プラス

滋賀

<候補者に聞きました>(上)政策編

2019年7月9日

※上から届け出順

 21日投開票の参院選。滋賀選挙区(改選数一)に立候補している音楽教室経営で政治団体「NHKから国民を守る党」新人の服部修さん(45)、前知事で無所属新人の嘉田由紀子さん(69)=立憲民主、国民民主、共産、社民推薦、2期目を目指す自民現職の二之湯武史さん(42)=公明推薦=の3人に、課題に対する考えを知ろうとアンケートし、100文字以内で回答してもらった。

◆質問(1)琵琶湖の課題に対して、真っ先に取り組みたいことを具体的に一つ挙げ、理由を添えて下さい

服部さん 外来魚対策と在来種の保護

嘉田さん 在来魚介類の資源保全のための生態系に配慮した琵琶湖の水位操作や、外来動植物の駆除に国として注力する。琵琶湖の存在価値を高め、生態系と両立可能な水害対策計画を高める流域治水推進制度などを検討する。

二之湯さん 県内最大の観光資源である琵琶湖が上手に使われていない。現在取り組んでいる湖上スポーツや、湖魚などの食材を生かす取り組みをさらに推し進める。また、県と協力し水環境保全に全力で取り組む。

◆質問(2)安倍首相は2020年に新憲法施行を目指すと表明しています。改憲についてどのように考えますか

服部さん 憲法は新たに作り直すべきですが、現在の国民の憲法への関心、政治での議論では良いものができるかどうか分からないので、もっと世論を盛り上げるべき。

嘉田さん 憲法9条に自衛隊を書き込む改憲には反対。国民の間に憲法論議が熟しておらず、憲法を変えてほしいという意見も多数とはなっていない。憲法学者の多くも、現憲法に自衛隊を書き込むことの論理的破綻を指摘している。

二之湯さん 国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の三つの基本原理はしっかり堅持し、国民の幅広い理解を得るため、党内外での議論、衆参の憲法審査会で論議を丁寧に深めた上で、国民投票を実施し早期の憲法改正を目指したい。

◆質問(3)アベノミクスへの評価を教えてください。県民の暮らしにどのような影響をもたらしていると思いますか

服部さん 評価はできず、影響も特になし。貧富の差は激しくなり、移民外国人の労働者によっても日本人の仕事が奪われ、彼らに支払われる円も国外に流出するので日本経済はこれからもどんどん悪くなっていくと思われます。

嘉田さん 経済政策として、富裕層と大企業中心の行政を行い、国民の間に格差を広げてきた。法人税や金融課税の減税の一方で、年金支給額の減額など暮らしの現場を破壊してきた。トリクルダウン効果も実感が出ていない。

二之湯さん 日本経済は長期の回復が持続し、GDPは過去最大規模、企業収益も高水準、働く世代が減少する中でも就業者数は350万人増、賃上げも実現し、有効求人倍率も全国で1倍を超え、成果は県内地域にも波及している。

◆質問(4)安倍首相は10月から消費税率を10%に引き上げる方針ですが、その判断をどう思いますか

服部さん 絶対に反対。過去、消費税を上げるたびに景気が悪くなり、税収も下がっている。日本経済を意図的に悪くするためとしか考えられない。税収が下がるのに、増税する理由を誰か教えてください。

嘉田さん 疲弊した内需を破壊し、経済に大きなマイナスとなることが懸念される。所得が高い人が得をする軽減税率や、一部の人だけ優遇されるポイント還元など、仕組みが複雑で不公平感が強く、今回の消費税増税には断固反対。

二之湯さん 全世代型社会保障の構築に向け、少子化対策や社会保障に対する安定財源を確保するためにも引き上げは必要である。一方で、税率の引き上げが経済に悪影響を及ぼすことがないよう、十二分な対策をすることが重要と考えている。

◆質問(5)近年、100年に1度クラスの豪雨が全国で頻発しています。防災減災に何が必要だと思いますか

服部さん これまでの土地開発が間違っていた結果で、そもそも危険な地域に人が住まないようにするべき。土地開発地で豪雨災害が起きた場合、開発した者にも責任を取らせる制度にする。

嘉田さん 川の中と川の外の担当が分かれる縦割り主義を排して、命を守ることを目的に、滋賀県は全国で初めて、横串政策である「流域治水推進条例」をつくったが、国でも防災減災施策を総合的に担当する省庁設置は必要不可欠。

二之湯さん 異常気象が常態化している中で「コンクリートから人へ」、「もったいない」というキャッチコピーでは国民の生命・財産は守れません。ダムに限らず、真に必要なインフラ整備を推進し国土強靱(きょうじん)化を図るべきと考える。

(参院選取材班)

主な政党の公約

新聞購読のご案内