• 中日新聞ウェブ
  • 中日新聞プラス

滋賀

湖国の議席、与野党幹部が火花

2019年7月7日

 参院選の公示後、初の週末となった6日、滋賀選挙区(改選数一)では、与野党の幹部が来県し、支持を求めた。安倍晋三首相は安定政権の必要性を呼び掛け、自民現職の二之湯武史さん(42)の実績を強調。無所属新人の嘉田由紀子さん(69)を推薦する立憲民主党の辻元清美国会対策委員長は、与党を激しく批判した。同選挙区では、政治団体「NHKから国民を守る党」新人の服部修さん(45)も立候補している。

◆「二之湯さんは自民、日本のホープ」安倍首相

商店街を練り歩き、有権者とハイタッチを交わす安倍首相=長浜市で

写真

 安倍首相は長浜、彦根、草津の各市の街頭で、二之湯さんとともにマイクを握り「同盟国の米国との関係が、かつてないほど強固になった」と力説。憲法九条の改正を念頭に「自衛隊に誇りを持てるようにする。未来に向かって議論を尽くしたい」と強く訴えた。

 争点の一つの公的年金制度を巡っては、アベノミクスで三百八十万人の雇用を生み出したとし「支え手が増えれば、保険料収入も税収も増える。賃上げも続き、年金額を増やせた。強い経済をつくれば、年金も財政もしっかり守っていける」と支持を求めた。

 県内の観光地については「長浜には焼きサバそうめんがある」「彦根には彦根城がある」などと各市の名物や名所を挙げ「海外からの観光客を増やしたい」と意欲を見せた。近江牛を含む農畜産業も挙げ「過去最高の農産物の海外輸出をさらに伸ばす」と力説した。

 二之湯さんについては「自民の、日本のホープ。若さがあふれ出ていて、自民の一、二を争う政策マンだ」と絶賛。二之湯さんも「相手候補は知名度が高い。激戦だ。戦う力を与えてください。大勝利を収めましょう」と呼び掛けた。 

(成田嵩憲)

◆「嘉田さんの経験生かしてほしい」辻元・立民国対委員長

嘉田さんへの支持を有権者に呼び掛ける立憲民主党の辻元国対委員長(中)=大津市で

写真

 辻元国対委員長は、大津市南郷で嘉田さんと街頭演説。琵琶湖を水源とし、自身の地元・大阪を流れる淀川に触れ「長きにわたって琵琶湖を守ってこられた嘉田さんは、感謝する存在」と強調。「(環境社会学者としての)専門分野を生かして、地球温暖化の問題で力を発揮してほしい。日本中の人たちの命を守ることにつながる一票を投じてほしい」と呼び掛けた。

 麻生太郎財務大臣が、老後二千万円問題で審議会の報告書を受け取らなかったことや、森友学園問題での公文書改ざんなども批判。「自民党の議員は誰一人としておかしいという声を上げていない。忖度(そんたく)するような議員は必要ない」と語気を強め、「嘉田さんに今までの経験を生かし、もっと働いてもらわないともったいない」と締めくくった。

 演説には国民民主党の泉健太政調会長も加わり、「嘉田さんは琵琶湖の保水力を地道な努力で高めてきた。誰に対しても立ち向かっていける人だ」と話した。

 嘉田さんはこの日、大津、草津市で街頭演説。JR守山駅前では集会も開いた。同党の小沢一郎衆院議員も、別行動で湖南、東近江市などを訪れ、集会で支持を訴えた。 

(森田真奈子)

主な政党の公約

新聞購読のご案内