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滋賀

事実上の選挙戦スタート 決戦へ2氏、慌ただしく

2019年6月27日

 通常国会が二十六日に閉会し、参院選(七月四日公示、二十一日投開票)に向けた事実上の選挙戦が幕を開けた。与党側は安倍政権の六年半の実績から安定政権の必要性を訴え、野党側は年金や原発、憲法などで対立軸を声高に主張する。県内の出馬予定者の動きや各党県幹部の思いを追った。

 滋賀選挙区(改選数一)には、再選を目指す自民現職の二之湯武史さん(42)=公明推薦=に、前知事で無所属新人の嘉田由紀子さん(69)=立憲民主、国民民主、共産、社民推薦=が挑む。二人は二十六日、東京と大津市でそれぞれ、自身の主張内容を整理したり団体要望を聴いたりして、決戦に向け慌ただしく動いた。

 国会閉会に臨んだ二之湯さんは、琵琶湖をイメージした青色のジャケットに、白色のシャツとズボンを着用して“臨戦モード”。閉会後も東京に残り、党幹部へのあいさつや要望への対応に追われた。県には二十七日に戻り、集会や企業回りなどを通して一期六年の実績を訴える。「地域を歩いて住民と意見交換し、活動してきた」と強調する。

 嘉田さんは日中、大津市内の選挙事務所で、政見放送や討論会の原稿準備などに追われた。選挙戦では、若い世代や働き盛りなど、世代を細かく分けた内容で主張する方針といい「知事時代に取り組んだ政策を、何としても国政で実現したい」と強調する。夜には、支援者との決起集会に臨み「命懸けの全力投球だ」と決意をみなぎらせた。

◆各党県組織幹部が意気込み

 各党の県組織幹部は、一議席を争う厳しい選挙区と、比例代表での戦いに向けて意気込みを語った。

 自民党県連の奥村芳正幹事長は「全力でぶつかるだけだ」と気合を入れる。反自民の前知事が野党統一候補に決まったことには「野合の衆に負けてたまるかという気持ちだ。時間の針を巻き戻さず未来につなげたい」と語気を強めた。

 立憲民主党県連の山田実幹事長は、野党四党の統一候補が決まったことに「反自民勢力で結集し、一枚岩になれた。あとは勝つだけだ」と力説。全国比例区では「原発ゼロを柱とした公約を発信し、支持を広げたい」と力強く語った。

 国民民主党県連の今江政彦幹事長は「『国民ここにあり』と有権者に思ってもらえる選挙戦を展開し、政権交代の弾みにしたい」と強調。野党候補の一本化には「『安倍政権の暴走を許さない』という思いで結集した」と自信を見せた。

 公明党県本部の粉川清美代表は「争点は安定した自公連立政権を継続するかどうかだ」と位置付ける。政策では、介護や教育の充実を図る全世代型の社会保障制度を強調し「若い世代も選挙に行きたくなるよう訴えたい」と意欲を見せた。

 共産党県委員会の石黒良治委員長は「自民、公明の連立政権によって日本の憲法と国民の生活が踏みにじられている」と批判を強める。「統一候補と野党が大きく躍進し、安倍政権を退陣させる第一歩にしたい」と気概をみなぎらせた。

 社民党県連の小坂淑子代表は「政党や組合、市民団体が重層的に動いて支持を広げたい」と意欲。安倍晋三首相が憲法九条に自衛隊を明記する改憲を目指していることを挙げ「戦争する国に絶対にさせてはいけないと主張する」と訴えた。

(参院選取材班)

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