• 中日新聞ウェブ
  • 中日新聞プラス

滋賀

一騎打ち、接戦必至 事実上の選挙戦突入

2019年6月26日

写真

 通常国会が二十六日に閉会し、七月四日公示、二十一日投開票が有力視される参院選に向け、事実上の選挙戦に突入する。滋賀選挙区(改選数一)は、再選を目指す自民現職の二之湯武史さん(42)=公明推薦=に、前知事で無所属新人の嘉田由紀子さん(69)=立憲民主、国民民主、共産、社民推薦=が挑み、与野党一騎打ちになる見通しだ。接戦が予想され、二人はそれぞれ、推薦を得た政党との連携を強化する。全国三十二の「一人区」の中、注目区の一つになりそうだ。

 「自民と公明のそろった歩調は、永田町だけの話ではない。地域のおかげで支えられている」。二之湯さんは八日、米原市であった演説会で、自民と公明が連立を組んで二十年目の信頼関係を支援者に強調した。

 六月に入り、公明の比例候補予定者と合同の演説会を週末ごとに開いて連携を強化。一期六年でまわり切れなかった県北部を含む県内各地をくまなく回り、自ら手掛けた観光施策や経済施策などの実績を訴える。

 自民にとって嘉田さんは長年の政敵。二〇〇六年、一〇年の知事選では、自民が推す候補らが嘉田さんに連続して破れた。一七年衆院選(滋賀1区)で初めて自民公認が嘉田さんに勝ったが、結果は一勝二敗だ。

 嘉田県政時代、自民が推す新幹線新駅や大戸川ダムの整備を巡って対立してきた党県連幹部も「暗黒時代を終え、やっと光が見えてきた。時計の針を巻き戻してはいけない」と対抗意識を見せて語気を強める。

 党本部も「嘉田さんは知名度が高く選挙に強い」と警戒し、資金や人員を優先的に割り振る「激戦区」に指定。五月以降、二階俊博幹事長や甘利明選挙対策委員長ら「大物政治家」が次々に来県して激励した。

 対する嘉田さんは十六日、知事時代に対立した共産の集会に初めて出席。「自民による一強多弱の情勢に穴を開け、国会に送り出してほしい」。小池晃書記長と並んで立ち、四野党による共闘をアピールした。

 一七年衆院選では、支援を受けた旧民進党の分裂の影響で無所属で戦い、社民新人(共産推薦)とともに敗れた。だが今回、嘉田さんは立民、国民、社民から推薦を得て、希望していた四党の統一候補になった。

 このため、野党四党と合意した共通政策を重視し、加えて知事二期八年の経験を生かした子育て支援や災害対策を唱える。知事時代のキャッチフレーズを引用し「『もったいない!』のその先へ」と訴える。

 五月下旬から、平日は朝のJR駅前で、自ら代表を務める地域政党「チームしが」の県議らと演説し、週末は市民団体の集会に参加して「統一候補」をPRする。二十六日からは衆院小選挙区ごとに集会も開く。

(参院選取材班)

主な政党の公約

新聞購読のご案内