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長野

与野党、事実上の一騎打ち 21日審判

2019年7月20日

 参院選は二十一日、投開票される。長野選挙区(改選数一)は、国民民主党現職の羽田雄一郎さん(51)と自民党新人の小松裕さん(57)が、事実上の一騎打ちを繰り広げている。羽田さんが勝って長野選挙区の二議席を野党が独占するか、小松さんが与党の議席を死守するか。有権者の審判が下される。

 長野選挙区は、二〇一六年の前回選から改選数が二から一に減り、与野党で議席を分け合ってきた状況が一転。前回選は、野党統一候補が自民候補を退けた。

 羽田さんも今回、立憲民主、共産、社民の各野党の統一候補。前回選後に民進党が国民と立民に分かれたが、「信州はひとつ」を合言葉に、立民の杉尾秀哉参院議員が総合選対本部長を務め、旧民進で無所属の井出庸生衆院議員らが応援演説を重ねた。

 羽田さんは共産支持層への配慮も見せ、超党派の議員連盟「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」を脱会。地盤がある上田市でも、共産県議が応援演説で支持を訴えた。羽田さんは十八日にはJR松本駅前で志位和夫委員長と並び立ち、野党連携を訴えた。

 公約では、集団的自衛権の行使を容認した安全保障関連法の廃止を主張。子育て支援の充実に加え、軽減税率の導入を伴う十月の消費税増税に反対している。老後に夫婦で二千万円の蓄えが必要と試算した金融審議会報告書を巡る問題で、政権批判も強めた。

 小松さんは、今期限りで引退する自民党の吉田博美参院幹事長(70)から昨年十月に後継指名を受け、長野市を含む衆院長野1区からくら替えした。選挙区が全県に拡大した分の知名度の低さを克服しようと、県内各地で街頭演説や個人演説会などを重ねてきた。

 党本部も加藤勝信総務会長や菅義偉(よしひで)官房長官、小泉進次郎衆院議員らを次々と投入して支援。同党の国会議員がいない東信地域では、党所属県議らが支持拡大に奔走した。最終盤に向けて、大票田の長野市や松本市などで追い上げを図っている。

 公約では、医療や介護など社会保障制度の改善に力を入れる考えを表明。地域の医師不足の解消のほか、若者をはじめとする雇用対策を進め、県外に出ても戻ってきやすい環境整備に努めると主張した。選挙戦では、政権与党のパイプを維持する必要性も訴えた。

 長野選挙区には、労働者党県支部長で元高校教諭斎藤好明さん(69)、NHKから国民を守る党員で社会保険労務士古谷孝さん(43)の新人二人も立候補している。

 (我那覇圭)

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