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長野

羽田さんリード 終盤情勢調査

2019年7月17日

 21日投開票の参院選で、中日新聞社は長野選挙区(改選数1)の有権者を対象に世論調査を実施し、終盤情勢をまとめた。事実上の一騎打ちとなっている国民民主党現職の元国土交通相羽田雄一郎さん(51)が、自民党新人の元衆院議員小松裕さん(57)をリードしている。投票先を決めていない人が3割近くに上り、情勢は変わる可能性がある。

 野党統一候補の羽田さんは国民民主、立憲民主両党の支持層の九割近くを固め、共産、社民支持層も八割超に浸透。年代別では六十代以上で半数超の支持を得ている。職業別では派遣社員や農林漁業などに浸透し、女性の支持も目立つ。

 小松さんは自民、公明支持層の六割超を固めたほか、主な法案の賛否で与党と足並みをそろえる姿勢が目立つ日本維新の会の支持層にも浸透。職業別では、羽田さんに比べて民間企業に勤める人や学生らの支持が厚い。

 他に立候補している労働者党県支部長で元高校教諭の新人斎藤好明さん(69)、NHKから国民を守る党員で社会保険労務士の新人古谷孝さん(43)は、ともに厳しい戦い。

 比例代表の投票先を尋ねると、自民が全体の31・9%でトップに立ち、国民民主の12・1%、立憲民主の11・9%が続いた。公明、共産はともに4・4%だった。

◆関心度

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 参院選に関心があると答えた人の割合は全体の73・1%で、二〇一六年の前回選で同じ時期に行った調査と比べて2・5ポイント下がった。

 回答の内訳は「大いに関心がある」が26・2%(前回選比3・4ポイント減)、「ある程度ある」が46・9%(0・9ポイント増)だった。逆に「あまり関心がない」と答えた人は19.3%(1・8ポイント減)、「全くない」は7.4%(5・0ポイント増)だった。

 実際に投票に行くと答えた人は「必ず」「できれば」を合わせて79・3%に上り、8・8ポイント減った。一方、期日前投票を済ませた人は14・5%で、5・1ポイント上昇した。

 参院選長野選挙区は前回選の投票率が62・86%で、全国最高だった。今回も全国的に高い投票率となるのか注目を集めている。

◆老後資産問題

 今回の参院選では、老後に夫婦で二千万円の蓄えが必要と試算した金融審議会の報告書を巡る問題も注目されている。世論調査で、投票する際の参考にするか尋ねたところ、「大いに」「ある程度」を合わせて全体の66・5%を占めた。

 この問題で、金融審議会市場ワーキング・グループは六月、無職の高齢夫婦世帯の平均的な収支が月五万円ほどの赤字で、定年退職から約三十年間生きると仮定して、二千万円ほどの老後資産が必要との報告書をまとめた。

 年金制度への不安が広がったが、安倍晋三首相は報告書について「誤解につながる」と主張。麻生太郎副総理兼金融担当相は「政府の政策スタンスと異なる」と受け取りを拒んだ。

 「大いに参考にする」と答えた人は五割超が羽田さんに投票する意向を示した一方、小松さんは二割超にとどまった。逆に「全く参考にしない」人の三割近くは小松さんで、二割弱の羽田さんを引き離した。この問題を巡る政権の姿勢への賛否が、影響している可能性もある。

 (我那覇圭)

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 <調査の方法> 県内の有権者を対象に14〜15日、コンピューターで無作為につくった電話番号にかけるランダム・デジット・ダイヤリング(RDD)追跡法で実施。対象者にかかった1541件のうち、612人から有効回答を得た。回答率は39.7%。性別や年代構成を反映させて集計した。

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