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長野

<選対幹部に聞く>(上)国民民主党幹事長代行・倉田竜彦さん(74)

2019年7月12日

 21日投開票の参院選長野選挙区(改選数一)は、事実上の一騎打ちとなった国民民主党現職の元国土交通相羽田雄一郎さん(51)と自民党新人の元衆院議員小松裕さん(57)が、激しい戦いを繰り広げている。選挙対策に携わる両党の県連幹部に勝利に向けた決意や戦略を尋ね、2回に分けて紹介する。

「安倍政権の姿勢を有権者に問い掛ける」と話す国民民主党県連の倉田幹事長代行=長野市で

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 −参院選の位置付けは。

 安倍晋三政権打倒に向けた重要な選挙だ。全国に三十二ある一人区の象徴の長野選挙区は必ず勝つ。政党と各団体が一致団結し、取り組む流れをつくる。勝つだけでは駄目だ。過程も重視する。

 −何を訴えるか。

 安倍政権六年半の姿勢を有権者に問い掛ける。(老後に夫婦で公的年金以外に二千万円の蓄えが必要とした金融審議会の報告書を受け取らなかった)年金問題のように、不都合な真実に目を背け、真摯(しんし)に対応しない。

 −年金問題は有権者の関心が高い。

 報告書を受け取らなかったことは不見識だ。年金制度のあり方を国民に明確に示す必要がある。臭いものにふたをせず、真摯に対応すると有権者に伝える。

 −対する野党は。

 その逆だと伝える。「家計第一」など国民第一の姿勢。安保関連法成立など、憲法をないがしろにした安倍政権を絶対に許さないという姿勢も明確にする。

 −羽田さんの強みは。

 安保関連法などにしっかり反対した。国土交通相時代には、三遠南信自動車道の難所に予算を付けるなど、県内の課題を最も把握している。保育士資格があり、自身も幼い長女の子育てをしている。子育て世代に身近に感じてもらえる。

 −野党統一候補には「野合」批判がつきまとう。

 共産党や社民党の支持者から、羽田さんの古くからの支持者でもある「穏健な保守」まで、反安保法制、何より安倍政権打倒で一致している。野合でなく、政策を軸とした取り組みだ。

 −羽田さんの地盤の衆院長野3区では、四月の県議選で自民が躍進。羽田さんの後援会「千曲会」も分裂で弱体化が指摘される。

 3区は勝敗を左右する。三万票以上の差をつけた圧勝が求められる。千曲会を脱会した幹部の穴を埋める組織が発足し、活動している。千曲会にはまだまだ力がある。従来の支持者に加え、安倍政権に不満を持つ保守層の取り込みも図っている。

 −得票目標は。

 五十五万票以上。自民候補には、前回選以上の差をつけたい。

主な政党の公約

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