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長野

<私の主張>(中)実現したい政策

2019年7月10日

 ※上から届け出順

 参議院は解散がなく、六年間の任期を全うできる議員には専門分野を深めるなど、衆院と違った政策実現が期待される。二十一日投開票の参院選長野選挙区(改選数一)の主な立候補者に当選後に実現させたい政策を聞いたところ、保育士資格を持つ国民民主党現職の羽田雄一郎さん(51)は「子どもたちの未来に平和な日本をつなぐ」と安保法制の廃止などを訴え、医師で自民党新人の小松裕さん(57)は「医療や介護の現場に携わった経験を立法の場に伝えていく」と医師の偏在解消などを掲げた。

 羽田さんは「子どもの未来に責任を持つ」が政治信条。安倍晋三政権が二〇一四年に集団的自衛権の行使を認める閣議決定をし、翌年に安保関連法を成立させたことを問題視する。「どんな政策も平和でなくては無意味」と強調。参院選で力を蓄え、次期衆院選で政権交代を実現させ、安保法制の廃止を目指す。

 国が進める現在の地方創生を「名ばかりの地方創生」と批判。民主党政権では地方が自由に使える一括交付金を都道府県、政令市に交付した。これを市町村にも交付するのが悲願だ。

 小松さんは、特に医師不足や医師の偏在を県内の課題ととらえている。厚生労働省が二月に公表した「医師偏在指標」では、複数市町村にまたがる二次医療圏(全国三百三十五カ所)で木曽医療圏は全国三百位だった。松本医療圏は二十二位。小松さんは「医師偏在解消へ国の制度の構築に注力したい」と力を込める。

 五輪のスポーツドクターとして日本チームを支えた経験を生かし、スポーツ振興と連携した健康寿命増進も強調。医療の面から女性の活躍を応援する議員立法にも意欲を示す。

◆安保法制を廃止 羽田雄一郎さん(51)=国現

 保育士資格を持つ国会議員として、子どもたちの未来に責任を持てる政治の実現を目指している。どんな政策も、平和でなくては無意味だ。子どもたちの未来に平和な日本をつなぐ。この参院選で平和への第一歩を踏み出す。

 旧民主・民進党の流れをもう一度、一つにするため尽力する。政権交代への準備を進め、次期衆院選で政権交代を成し遂げる。新たな政権で集団的自衛権の行使をできない閣議決定を行う。安保法制も廃止する。

 本当の意味での地方創生も進める。現在は名ばかりだ。中央のマスタープラン(基本計画)に沿った事業でないと交付金が出ない。このため県内七十七市町村のうち、六十八市町村が東京のコンサルタントの力を借りている。地域のことは地域で決め、そこに財源があるのが本来だ。

 民主党政権で、県レベルまでは(地方が自由に使える)一括交付金を出した。東日本大震災などで市町村までできず悔しかった。ぜひ、実現させたい。

◆医師の偏在を解消 小松裕さん(57)=自新

 参院議員の特性は注視すべきだ。衆院議員を務めた際には、慌ただしさに追い掛けられていた実感がある一方で、参院は任期の長さと安定性、それぞれの専門性を利用して、参院議員を主体として議員立法がつくられていたという現場を経験している。

 私も負託を受けたら、自分の専門性を生かした先見性の高い議員立法や提言を実行していきたい。具体的には、長年医師として医療や介護の現場に携わった経験を立法の場に伝えていく。とりわけ県内各地で課題である医師不足や医師の偏在の解消のための、国の制度の構築に注力したい。

 またスポーツ振興と連携した健康寿命増進のための取り組み、私も設立に関わったスポーツ庁に、競技スポーツのみではなく、「生涯スポーツ」や「地域の活性化とスポーツ」という視点を強化したい。女性の活躍を医療的な面から応援する議員立法の成立も衆院議員時代から持ち越した課題だ。

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