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長野

<候補者の横顔>(下)

2019年7月7日

※上から届け出順

◆母通じ介護現場知る 小松裕さん(57)自新

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 二〇一七年秋の衆院選で落選する直前、諏訪市に住んでいた軽度の認知症がある母親(85)を長野市の自宅に迎えて、同居を始めた。妻子は県外に住んでいるため、二人暮らし。塩辛い料理を出されたり、同じ話を繰り返し聞かされたりと、病気によるとっぴな言動に当惑もした。

 再選を目指して政治活動が忙しくなる中、母親の暮らしを支えてくれるのはケアマネジャーら介護職の人たち。浪人中は医師として長野市の介護老人保健施設で回診の手助けもしたが、懸命に仕事に打ち込む職員らが、時に入所者やその家族から心無い言葉を浴びる姿も目の当たりにした。

 二期五年間務めた衆院議員時代には厚生労働委員会に所属し、社会保障分野に精通している自負があった。「介護の『現場』を経験したのは初めて。それだけでも落選した意味があった」と力説する。

 だからこそ、政治家として介護職の待遇改善だけでなく、「楽しく、やりがいがある環境づくりをしたい」と実感している。国政のひのき舞台に再び立つ自分を思い描いて県内を駆け回り、中学時代から続けてきた趣味のバスケットボールを封印する日々だ。

◆社労士法人の代表も 古谷孝さん(43)諸新

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 消費税率引き上げや老後資金二千万円問題で、国民に不安が広がっていると感じている。その中で、視聴していなくてもテレビなどを設置していれば支払い義務が生じるNHK受信料のあり方に疑問を感じる。「(希望して受信料を払った人だけがNHKを見られる)スクランブル放送の実現を」と主張する。

 茨城県取手市出身で、立教大への進学を機に上京。卒業後は都内の第二地銀に就職した。企業回りの中で社会保険労務士の存在を知り、その助言で会社も従業員も良くなることに魅力を感じ、二〇〇六年に資格を取得。三年後に設立した社労士法人の代表を務める。

 動画投稿サイトで受信料の集金に伴うトラブルを知り、悪質と感じた。問題意識を抱いていたところ、政治団体「NHKから国民を守る党」の演説を東京都内のJR大塚駅前で聞いた。

 「この問題に取り組む政治団体がある」。党の公募に応じ、供託金三百万円も自身で用意した。妻が上田市出身の縁で、長野選挙区を選んだ。「受信料の集金はかなり悪い評判も立っていて被害者も出ている」と強調。「放送法を改正し、見ない人は払わずに済むようにする」と訴える。

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主な政党の公約

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