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長野

与野党、事実上一騎打ちの構図 小松さん、羽田さん準備着々

2019年6月18日

 県選管は十七日、夏の参院選長野選挙区の立候補予定者説明会を開き、自民党が擁立する元衆院議員小松裕さん(57)と国民民主党の現職羽田雄一郎さん(51)ら四陣営が参加した。選挙戦は小松さんと羽田さんの一騎打ちになる構図がほぼ固まり、両陣営は決選に向けて着々と準備を進めている。

 長野選挙区の改選数は、羽田さんが前回出馬した二〇一三年の参院選から一減の一。与野党の勝敗を左右する全国三十二の一人区のうち、現職の野党議員がいる唯一の一人区。野党の浮沈を占う上でも注目されている。

 長野選挙区は戦後、補選などを除き、ほぼ自民党と社会党や民主党(いずれも当時)が議席を分け合ってきた。ただ、改選数が一に減った一六年の前回選では、民進党(当時)の杉尾秀哉さん(61)が共産や社民などの支持層も固め、五十七万票余りを得て自民党の現職候補若林健太さん(55)を退けて初当選した。

 今回、共産が擁立する予定だった候補者を取り下げ、羽田さんを国民民主、立憲民主、社民などと野党統一候補として支えることで合意。今期で引退する自民党参院幹事長の現職吉田博美さん(70)の後継で、公明党が支える小松さんと一議席を争う構図となる。

 事実上の与野党一騎打ちの構図は三年前と変わりないが、情勢は変化している。四月の県議選では、羽田さんのお膝元の上田市・小県郡区で国民民主の現職候補が落選した一方で、自民系候補が各地で当選。改選後は自民党県議団が県議会の過半数を押さえた。

 父の故羽田孜元首相から引き継いだ後援会「千曲会」も、一八年の上田市長選を巡り一部の役員が離脱。共産との連携に消極的な見方がくすぶるほか、選挙運動を支える後援会員の高齢化が指摘される。

 小松さんにも課題はある。衆院議員時代に地盤とした北信地域の長野1区から選挙区が県内全域に広がり、有権者に浸透できるか見通せないからだ。十六日に松本市で開かれた党会合では、県内の全七十七市町村で決起大会などの集会を開く方針を確認。県連会長の後藤茂之衆院議員は「三年前の参院選を上回る取り組みを行う決意の表れだ」と強調した。

 陣営内には三年前に若林さんが得た五十万票から、上積みして六十万票を目指そうとの声も聞かれる。ある自民県議は「前回選も吉田さんの得票力を見込んだが結果的に敗れた」と楽観視しない姿勢を示した。

(我那覇圭、渡辺陽太郎)

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