吉川さん、議席死守 「県民の声聞いていく」
2019年7月22日
祝いのタイを手にする吉川さん=四日市市泊山崎町で |
再選を果たした自民現職の吉川有美さんは、涙を浮かべながら「期待をかけてくださった全ての方に心からお礼を申し上げたい。本当にありがとうございます」と深々と頭を下げた。
四日市市泊山崎町の事務所には午後十時ごろ、当選確実の第一報が届き、「おーっ」と大歓声が上がった。吉川さんは大きな拍手の中、夫の知行さん(49)、長女の心優(こころ)ちゃん(4つ)と登場。支援者から縁起物のタイや花束を受け取り、抱き合って喜びを爆発させた。
地元国会議員や市町長、地方議員、支援団体の関係者らを前に、吉川さんは「民主王国と言われた三重で二〇一三年に勝利させていただいた後、苦しい六年間だった」と感慨深げ。「皆さんに感謝しながら、しっかりと県民の声を聞いていきたい」と二期目の抱負を語った。
自民にとっても六年前、十五年ぶりに奪還した議席の死守は、県内勢力図の形勢逆転を印象づける大きな勝利となる。
選挙中、吉川さんは「県北部ではまだまだ厳しい。どうか助けてほしい」と訴えてきた。北勢(北部)では六年間で道路整備が進んだことを強調し、山間地では森林環境税を導入して林業を支援することを紹介するなど、地域に合わせて演説を変えて地域密着をアピールしながら与党の政策を語った。
応援の県議が「ちっとも顔を見せないとご批判もあるが、東京で本当に一生懸命政策をつくっている」と理解を求める場面もあり、広い選挙区で議員として活動する難しさが浮き彫りにもなった。
「参議院一期目は雑巾がけ。二期目からようやく仕事ができる」。吉川さんが演説で必ず語ってきたのが、県選出の大先輩・斎藤十朗元参院議長の言葉だった。それだけに「やっと皆さんに政策、予算でお返しができます」と決意を込めた。