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三重

開票速度アップ、各選管知恵絞る 全市町で読み取り分類機

2019年7月21日

 県内市町の選管は開票作業のスピードアップに余念がない。県選管によると、投票用紙を読み取って振り分ける「読み取り分類機」を全市町が導入する初めての国政選挙。作業効率アップが期待される一方、比例代表は届け出政党・政治団体が乱立した。働き方改革の流れも受け、職員の負担軽減に知恵を絞って臨む。

 投票締め切り後の二十一日夜からの開票作業は、選挙区で翌日午前一時、比例代表で同三時半に終わる見通し。

 開票で手間がかかる工程の一つが、投票箱から出した投票用紙を候補者や政党ごとに仕分ける作業だ。近年、高い精度で票を読み取る機械の導入が進み、大幅な時間短縮が見込めるようになった。六年前に導入した熊野市の担当者は「確実に業務の負担を改善している」。二年前に導入した南伊勢町の担当者も「四十〜五十分程度の時間削減につながった」と話す。

 ただ、今回の比例代表は届け出政党・政治団体が十三と、三年前より一つ多い。伊賀市の担当者は「ミニ政党の得票数は多くないと見込まれるため、特別に人員を増やすことはない」と話すものの、対策を練っている市町は少なくない。

 四日市市は、投票用紙に書かれるパターンを整理し、開票作業に臨む。「職員で疑問票の考え方を整理しておけば、少しでも作業を速くできる」

 機械を使っても一度では仕分けられないため、手作業での振り分けは必要になる。三年前は午前五時ごろまでかかった津市では、段ボールを活用するようになった。作業用の机の高さをかさ上げし、かがまずに作業できる。腰などへの負担が減り、作業効率アップにもつながったという。

 明和町は足元に着目した。作業員が動きやすいようにスリッパではなく、運動靴を履く。担当者は「各係が連携することで、スムーズにミスなく作業したい」と話した。

 四月に働き方改革関連法が施行され、職員の負担軽減も重視する市町も。玉城町は皇学館大の学生二人をアルバイトに採用する。

 伊勢市は外部委託できる部分を洗い出し、投票箱から出された投票用紙を開き、表と裏、上下を整えて束にする作業は職員以外に任せている。担当者は「作業が終わった職員にはどんどん帰ってもらう」と話す。

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