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三重

街頭演説、終盤へ

2019年7月19日

 安倍晋三首相は18日、参院選三重選挙区(改選数1)で自民現職の吉川有美さん(45)を応援するため、四日市市で街頭演説した。県内入りは12日に続いて公示後2度目で、今回も野党の年金や待機児童対策を「財源も示さず無責任だ」と批判した。一方、無所属新人で野党統一候補の芳野正英さん(44)は、大票田の鈴鹿市で20カ所の街頭演説をこなし、「アベノミクスで格差が広がっている」と政権にブレーキをかける投票を呼び掛けた。

◆再び安倍首相、訴え 四日市で吉川さん

人だかりの中、手を振りながら歩く安倍首相(中央右)と吉川さん(中央左)=四日市市で

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 安倍首相は正午すぎ、近鉄四日市駅前で演説した。六年間の政策で外国人観光客が増えたと強調し、「(菰野町の)湯の山温泉で、世界中の人のお肌をつるつるにしましょう」と呼び掛けた。地元名物のなが餅も「政権が長続きするようにと鈴木英敬知事からもらったら御利益があった」と、前回に続いてその場にいない鈴木知事の名前を演説中に挙げた。

 六年間で雇用や税収が大きく改善した成果もアピール。十二年前の第一次政権時代の参院選を振り返り、「私の責任で自民党は惨敗し、民主党政権が誕生した。今より企業が多く倒産し、失業者が多かったあの時代に逆戻りするわけにはいかない」と訴えた。吉川さんも「六年前まで北勢のインフラ整備の予算がほとんど止まっていた。今の流れを止めないでほしい」と支援を訴えた。

 首相は演説後、商店街を練り歩いてハイタッチを繰り返し、自分から買い物客のスマートフォンを次々に受け取って随行員に手渡し、記念撮影をしていた。

 (森耕一)

◆アベノミクス批判 鈴鹿で芳野さん

沿道に向けて演説する芳野さん(右)と中川衆院議員=鈴鹿市で

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 芳野さんは、現職リードとの情勢報道が多い中、大票田での活動に集中した。鈴鹿市中心部のスーパー前では、地元選出の中川正春衆院議員らと演説し、支援者が芳野さんの名前を書いたチラシを掲げて浸透を図った。

 中川さんは地元企業へのあいさつ回りの合間を縫って駆けつけた。「選挙戦は残りわずか。現職を追い越そうと頑張っている。芳野候補の話をしっかり聞いてほしい」と応援演説を短く切り上げ、目の前の県道を走る車に向けて手を振り続けた。

 芳野さんは「県の経済をけん引する鈴鹿市でも人口が減り学校の統廃合が進んでいる。経済効率を最優先する安倍政権の間に広がった格差を解消する」と声を上げた。最後には「政治を変えるため、一緒に立ち上がってほしい。鈴鹿で勝たせてください」と訴えた。

 演説を終えると、買い物客らに駆け寄って握手を求めた。励ましを受けると、「最後まで精いっぱい頑張る。支援の輪を広げてほしい」と大きな声で応えた。

 (鈴鹿雄大)

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