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三重

吉川さん優位 終盤の情勢調査

2019年7月17日

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◆選挙区

 二十一日投開票の参院選で、中日新聞社が実施した終盤の情勢調査では、三重選挙区(改選数一)は、自民現職の吉川有美さん(45)が優位に戦いを進め、無所属新人で野党統一候補の芳野正英さん(44)が追い上げを図っている。諸派新人でNHKから国民を守る党員の門田節代さん(51)は苦しい。まだ三割が投票先を決めておらず、情勢が変わる可能性がある。

 吉川さんは、現職の知名度や政権の安定した支持率を背景に、序盤から先行を維持している。男女ともに芳野さんを上回り、男性より女性の支持が多い。年代別も十八・十九歳を除いてリードし、二十代の支持率が特に高い。四十代、七十歳以上でも差が大きい。支持政党別では、自民支持層の八割、公明の五割強を固めた。職業別は、民間企業勤務者の支持が特に高く、主婦や無職、公務員・団体職員でもリードしている。

 芳野さんは、岡田克也衆院議員らの支援を受け、反政権票の結集を図る。五十代では吉川さんとほぼ互角。支持政党別では、立民支持層の六割強、国民の七割、共産の六割強を固めた。支持政党がない層では吉川さんを上回る。自営業・自由業の支持では吉川さんと並んでいる。

 門田さんは維新の支持層でトップに立つが、その他は広がりがない。

 主要な争点のうち、消費税増税に賛成の層は七割が吉川さんを支持し、反対では吉川さんと芳野さんがほぼ拮抗(きっこう)。年金問題では、関心の有無にかかわらず吉川さんが支持を集め、関心が低い層で吉川さん支持の割合が高い。

◆比例は自民トップ

 比例代表の投票先では、自民が37%とトップに立ち、安定した戦い。次いで立民が15%で、野党の中では他党を大きく引き離す。

 三位は公明の6%で、自民と四位の維新を含めた改憲勢力が上位を占めた。五位以下は共産、国民、れいわ新選組の順。ただ、約三割が投票先を「分からない、無回答」とした。

 年代別では、二十代の半数以上が自民を選んでおり、若い世代からの支持の厚さが鮮明になっている。立民は三十代で三割に迫る支持があり、共産も三十代の支持が比較的高い。十代、二十代はれいわの支持が高かった。

 職業別も、ほとんどで自民がリードするが、公務員・団体職員では、自民と立民が互角だった。

◆消費増税反対51%

 今回の参院選に関心があるかの質問では、68%が「大いに関心あり」か「ある程度関心あり」を選んだ。三年前と比べて6ポイント低下し、有権者の関心が高まっていないとみられる。

 関心がある割合は男性で74%、女性は62%にとどまった。年代別では三十代が85%と最も高く、六十代、七十歳以上も70%を超えた。一方で、二十代と四十代では関心がある人は半数程度にとどまった。

 消費税増税は、賛成が41%、反対が51%となった。男性は賛否がほぼ同数だったのに対し、女性では反対が55%、賛成35%と反対が多かった。年代別では十八・十九歳、二十代、四十代、七十歳以上で、反対が半数を超えた。

 公示前、老後に二千万円不足すると試算した金融庁の報告書を巡る年金問題について、候補者の訴えを投票の参考にするかは、60%が「大いに参考にする」か「ある程度参考にする」と答えた。50代以上では参考にする層が60%を超え、高齢層で関心が高かった。

 <調査の方法> 県内の有権者を対象に14、15日の2日間、コンピューターで無作為につくった電話番号にかけるランダム・デジット・ダイヤリング(RDD)追跡法で実施。対象者にかかった1379件のうち、833人から有効回答を得た。回答率は60.4%。性別や年代構成を反映させて集計した。調査結果の文中の数値は小数点以下を切り捨てたため、合計が100%にならない場合がある。

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