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三重

与野党人気弁士、大激戦の県内へ 公示後初の週末

2019年7月7日

 参院選公示後、最初の週末となった6日、与野党が激戦を繰り広げる三重選挙区(改選数1)には、知名度の高い弁士がそれぞれ応援に入った。津市では自民党の小泉進次郎衆院議員が自公政権による社会保障改革をアピールし、伊勢市では立憲民主党の蓮舫副代表が安倍政権を厳しく批判した。

◆自民・吉川さんに小泉進さん

 小泉さんは、自民現職の吉川有美さん(45)とともに、津市のお城西公園で街頭演説した。遅れて会場に到着すると大きな拍手が起こり、聴衆は握手を求め身を乗り出した。演説では津市について「日本一短い名前。来るたびに、政治家として大切なのは、話を短くすることだと教えてくれる」と笑いを誘った。

 老後に二千万円不足するとの金融庁報告書に触れ、「私と吉川さんは人生百年時代の年金改革をしようと、党内の若手で勉強会をしてきた」と紹介。厚生年金の対象範囲を広げるなどの改革を提言したと説明し、「不安をゼロにはできないが、大きく減らすことはできる」と訴えた。「法律として提言を実現するには、参議院を通さないといけない。大激戦の三重での一議席が、年金改革に直結する」と支援を呼びかけた。

 吉川さんも「小泉先生と一緒に安心の社会保障をつくっていく」と強調。その上で複数の新聞が序盤情勢で吉川さんリードと報道したことについて「小泉先生や菅義偉官房長官が来ているのは、三重がまだまだ激戦区ということ」と引き締めを図った。

 最前列で二人の子どもを連れて演説を聴いた津市の会社員小野陽子さん(37)は小泉さんのファンといい「握手できてよかった。演説も説得力があり、応援したくなります」と笑顔だった。

 (森耕一)

◆無所属・芳野さんに蓮舫さん

 野党統一候補で無所属新人の芳野正英さん(44)にとっては公示後、初めて迎えた中央からの応援弁士が蓮舫さん。伊勢市と津市で演説し、近鉄宇治山田駅前では手を振る人に笑顔で返し、握手に応じた。

 蓮舫さんは「相手には首相、官房長官が次々入ってくる。極めて厳しい選挙だが負けるわけにいかない」と声を張り上げた。金融庁の報告書問題では「(担当相の)麻生さんは報告書を読んですらいないのに受け取らないという。役人に謝罪させ、政治家は責任を取っていない」と安倍政権を批判した。

 憲法については「権力者を縛るはずの憲法を首相が変えるという」と指摘し、「雇用や子どもの貧困、社会保障への不安に応えることを優先すべきだ」と述べた。芳野さんを「即戦力」と評し、「参院議員は六年代えられない。おかしいことはおかしいと言える政治家を選んでほしい」と締めくくった。

 芳野さんは自らを就職氷河期世代だと語り、「社会を支えるはずの世代の所得が下がり、結婚できずにいる人が多い。政権の社会保障制度を認めるわけにはいかない」と訴えた。

 二児を育てている明和町の荒木章代さん(38)は「蓮舫さんの演説はテレビで見る以上に力強い。子育て政策も大切にしてくれていると感じました」と話していた。

 (鈴鹿雄大)

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