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三重

菅氏「三重は最大激戦区」 野党勢力は岡田氏「大きな分かれ道」

2019年6月24日

 参院選が来月四日に公示される可能性が高まり、二十三日には自民現職の吉川有美さん(45)の応援演説のため、菅義偉官房長官が菰野町を訪れ「三重は最大の激戦区」と支援を求めた。一方の無所属新人で三重民主連合が擁立する芳野正英さん(44)の陣営も、選対幹部会議を開き「相手の背中が見えてきた」と、支援者に一層の活動を呼び掛けた。

 菅氏は菰野町民センターで登壇し、北勢を中心に約八百人が詰め掛けた。自らが「令和」を発表したことに触れ、「緊張したんじゃないかと言われたが、冷静だった。国民に新元号を受け入れてもらいたいと気合を入れて発表した」と笑いを誘った。

 党県連によると、菅氏の三重入りは党本部側から打診があった。三重選挙区で自民は六年前、吉川さんが勝利して十五年ぶりの議席を獲得したが、三年前は再び野党統一候補に敗北。菅氏が県内野党の中心の岡田克也衆院議員の地元に入ることで三重重視をアピールした。さらに終了後には約一時間半、県内の首長や企業幹部らと懇談した。

 演説で菅氏は「安倍政権は女性の輝く社会を掲げている」と強調。吉川さんら党女性局の要望を受け、災害時に使いやすい乳幼児用液体ミルクを解禁したことを披露し「女性の視点が大事なのは分かっているが、細かいところに気付かなかった。そうしたところに吉川さんは積極的に取り組んでいる」と持ち上げた。

 十月の消費税率引き上げを明言する一方で、「思い切って消費税二兆円を子ども、若者に投資する」と、増税分が幼児教育無償化や低所得世帯の大学授業料無償化の財源になることを説明し、理解を求めた。吉川さんも無償化を取り上げ、「教育、子育てにお金がかかりすぎるという声を受け、責任与党で実現することができた」と声を張り上げた。

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 一方の野党勢力は二十三日、四日市市内で国会議員らを集めて選対会議を開いた。岡田氏は老後に二千万円が不足するとの金融庁の報告書を麻生太郎財務相兼金融担当相が受け取らなかった問題を取り上げ「悪いところを隠してごまかす政治を続けるか、憲法九条の改悪にしっかりブレーキを踏むか、日本の大きな分かれ道になる選挙だ」と強調した。

 芳野さんも「子育て世代から、負担が増えるのに消費税が上がる。なんとかしてほしいと聞く。安倍政権が生活を豊かにしていないのは明らかだ」と、政権への対決姿勢を強めた。

(森耕一、鈴鹿雄大)

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